ここ最近シェアサイクル事業への注目が急速高まっている。とりわけ世界的にシェアサイクルを広めた実績のあるモバイクに参入し事業を始めたことで、一気に注目度を高めた。モバイクは日本人の生活をどう変えうるのか。モバイク・ジャパン Acting GMの木嵜基博氏に話を伺った。

モバイク・ジャパン Acting GMの木嵜基博氏

モバイクが描く新たな日常生活

モバイクは中国の北京に本社を置く自転車シェアサイクル事業を営む企業だ。2016年4月に中国上海でサービスを開始、わずか1年で世界180都市、700万台以上の自転車で事業を展開。一日に2500万回以上利用されているという。数多くの人がモバイクの自転車を使い、新たな移動手段として活用している。かつ、事業の将来性の高さから、中国のIT大手のテンセントや米ベンチャーキャピタルから多額の出資も受けている。

北海道札幌市で今年8月に事業開始した(画像:Mobike提供)

そんなモバイクは2017年6月に福岡県に日本法人となるモバイク・ジャパンを設立、8月に北海道の札幌市で事業を開始しており、日本の日常における移動手段を大きく変えうるプレイヤーとして注目されているのだ。

では、どういった世界が待っているのだろうか。少し具体的にしよう。たとえば徒歩15分程度の場所まで移動したいとする。歩くのは面倒だが、自転車が使えるならば別だ。この"使えるならば"を実現するのがモバイクというわけだ。

街中のいたるところにモバイクの駐輪ポートがあり、わずかな利用料金を支払うだけで、ちょっと遠くまで行けるようになる。電車通勤をする人ならば、オフィスに行ってからの移動手段は、電車もしくはタクシーとなるが、そこに自転車も加わるようになる。

木嵜氏は提供するサービスについて、「移動手段の新しいオプション」と表現、これによって、人の行動範囲を広げ、コミュニケーションや新たな経済活動を生みだしていくと見ている。