ここまでは従来のプラットフォームでも行われているが、LANDLOGでは個々のIoTで入手したデータ単体ではなく、それらを組み合わせ、作業量であれば土砂の体積や平米、重さ、施工であれば建機の台数や作業員の人工といった、意味のある「コト」として可視化するレベルにまで達する。ここでもデータは3Dデータとして記録され、各プロセスの間は3Dデータで繋がれることになる。

さらに、2020年ごろを目標として、建設現場の最適化を目標としている。たとえばショベルカーですくった盛り土の正確な重さがわかるため、その土を搭載するダンプカーは過搭載になる可能性が非常に低くなる。また、どこにどれだけの盛り土があり、それをどこにどれだけ運ぶか、そのためにはダンプカーが何台必要で、どこにどのダンプを配車すれば最も燃費がいいか、といったナビゲーションまで行えるようになる。最終的には施工後の検査や維持保守といったレベルに至るまでを自動化できるようになるはずだ。

オープンプラットフォームにおける各社の役割は?

前述したように、コマツではすでに「KomConnect」というプラットフォームを持っていたが、これらはコマツ製の建機に限られるなど、クローズドプラットフォームが持つ閉鎖性故の限界もあった。そこでKomConnectの昨日の一部を発展的に移譲し、機器の種類を問わずデータの収取・蓄積を可能とするオープンプラットフォームにしたのが「LANDLOG」というわけだ。

LANDLOGにおいて、コマツは自社でも計測機器を提供するほか、3次元測量に関するノウハウの提供、建設生産プロセスへの投下資本の可視化に関するノウハウを提供する。NTTドコモはLTE、LPWA、5Gといった無線通信に関するノウハウやサービスの提供と、IoT等のソリューション構築とデータ収集、可視化・分析に関するノウハウの提供を担当する。SAPジャパンはデザインシンキングと「SAP Leonardo」による新プラットフォームビジネスの支援を担当。オプティムは「AI、IoTおよびCloud IoT OS活用等に関するノウハウの提供」となっている。

今回のJVではコマツが中心となり、3社がそれぞれコマツが不得意とする分野をカバーする形になる

LANDLOG自体は2017年10月のリリース予定だが、上記の4社はこれに合わせてジョイントベンチャー(JV)を設立して運営・開発に当たるという。ただし現時点では共同企画・運用に向けた合意のみが成立した段階で、各社の出資比率や売り上げの目標はまだ立っていないという。