ウエスタンデジタルは8月2日、SanDiskが開発した64層3D NANDフラッシュメモリを採用するSATA SSD新モデル「サンディスク ウルトラ 3D SSD」と「WD Blue 3D NAND SATA SSD」を、8月後半より日本で発売することを発表。これに合わせて、東京都内で説明会を開催した。

8月下旬より日本で発売される、「サンディスク ウルトラ 3D SSD」と「WD Blue 3D NAND SATA SSD」

一般消費者向けSSDとして世界初となる、64層3D NANDを採用

まずはじめに、今回発表されたSSD新製品の概要を紹介する。発売されるのは、サンディスクブランドの「サンディスク ウルトラ 3D SSD」と、WDブランドの「WD Blue 3D NAND SATA SSD」の2モデル。双方とも、メインストリーム用途をターゲットとするSSDで、接続インタフェースはSATA 6Gbps、フォームファクタは2.5インチで、WD Blue 3D NAND SATA SSDではM.2も用意する。容量は、250GB、500GB、1TB、2TBの4種類。アクセス速度などの主な仕様は、以下の図にまとめたとおりだ。

サンディスク ウルトラ 3D SSD/WD Blue 3D NAND SATA SSD 主な仕様

サンディスク ウルトラ 3D SSD。2.5インチタイプのみを販売

【左】WD Blue 3D NAND SATA SSD。仕様はサンディスク ウルトラ 3D SSDとまったく同じ。【右】WD Blue 3D NAND SATA SSDではM.2仕様のモデルも販売する

主な特徴としては、64層3D NANDフラッシュメモリを採用する点と、長寿命という点が挙げられる。

採用するNANDフラッシュメモリは、双方ともSanDiskが開発した64層3D NANDフラッシュメモリで、1セルあたり3bitのデータを保存できる、TLC仕様となる。ウエスタンデジタルでは、64層3D NANDフラッシュメモリを採用する一般消費者向けSSD製品が発売されるのは、これが世界初としている。

2D NANDフラッシュメモリは物理的な限界に近付いており、容量と耐久性の両立が難しくなっている

SanDiskの64層3D NANDフラッシュメモリを消費者向けSSDに世界初採用し、容量と耐久性を両立

64層3D NANDフラッシュメモリ採用により、長寿命で消費電力も従来モデルより約25%低減

寿命に関しては、総書き換え容量が250GBモデルで100TBW、2TBモデルでは500TBWに達しており、2TBモデルでは1日あたり20GBの書き換えを行った場合でも70年間の利用が可能としている。また、省電力性に優れる点も特徴としており、従来モデル(WD Blue SSD)と比較して、アクティブ時(シーケンシャル読み出し時)の消費電力が約25%低減しているという。

1日あたり20GBの書き換えでも2TBモデルでは17年間の利用が可能

サンディスク ウルトラ 3D SSDは、システムのアップグレードやコンテンツクリエイターなどをターゲット

WD Blue 3D NAND SATA SSDは、自作PCユーザーやカジュアルゲーマー、コンテンツクリエイター、ビジネスユーザーなどをターゲットとしている

今回発表されたサンディスク ウルトラ 3D SSDと、WD Blue 3D NAND SATA SSDは、ブランドと製品名は異なっているが、内部の仕様は同一となっている。ウエスタンデジタルでは、サンディスク ウルトラ 3D SSDはPCのシステムアップグレード用途やデジタル写真などを扱うイメージングユーザー、コンテンツクリエイターなどを、WD Blue 3D NAND SATA SSDは自作PCユーザーやカジュアルゲーマー、ビジネスユーザーなどをターゲットとして販売する計画だ。