カシオ計算機は7月24日、世田谷区明正小学校にてサマーワークショップ「発明家になろう ~自分だけのG-SHOCKをつくってみよう~」を実施した。参加したのは1年生から6年生まで約30名の児童たち。子供らしい自由な発想で「○○の役に立つ時計」のアイデアを出し合った。このワークショップは、2016年8月1日に「樫尾俊雄発明記念館」でも開催される。

サマーワークショップ「発明家になろう ~自分だけのG-SHOCKをつくってみよう~」に参加する明正小学校の児童たち

G-SHOCKの誕生秘話

明正小学校は、カシオ計算機 上席執行役員で「樫尾俊雄発明記念館」の理事長でもある樫尾隆司氏の母校。その縁から、2016年に続いて今回もサマーワークショップが実施された。子供たちにレクチャーしたのは、G-SHOCKの生みの親として世界的に知られている伊部菊雄氏。

伊部氏は「困ったとき、誰かの役に立ちたいと思ったとき、発明のきっかけが生まれます」と語る。伊部氏が子供のころ、親からもらった大切な時計を落として壊したことがきっかけで、自動車に踏まれても壊れないほど頑丈なG-SHOCKが誕生した……というエピソードを紹介した。

成城3丁目にある世田谷区明正小学校(左)。G-SHOCKの生みの親である伊部菊雄氏が、子供たちに発明のレクチャー(右)

発明=人の役に立つもの

ワークショップの冒頭、まずは頭の準備運動とばかりに、朝起きてから目にした「人工物」を子供たちに発表させる伊部氏。次に、それがどんな役に立っているかをグループ内で議論させた。最後に「美味しそうなケーキは、どんな役に立ちますか」と、やや変化球気味の質問。「私たちの身の回りにある物は、必ず人の役に立つように考えられています。発明とは、そういうものです」と結論。

ワークショップの冒頭、まずは頭の準備運動。伊部氏は子供にも分かりやすいよう、発明を「人の役に立つもの」と定義した

ワークショップは、ここでいったん休憩。猛暑の厳しい折とあり、教室の後ろには大きな氷の塊が2つ運ばれていた。氷の中に閉じ込められているのは、ほかならぬG-SHOCK。これは氷漬けになっても問題なく動くという、G-SHOCKの耐久性をアピールする展示だった。

子供たちは、氷に触りながら「何で動いてるの? 壊れないの?」「どうやって時計を入れたの?」「氷を溶かしたら時計もらえる?」などと無邪気に会話を弾ませていた。

氷漬けになっても動くG-SHOCKを見て、歓声を上げる子供たち。スタッフによると、氷は職人によるもので、1週間ほどの時間をかけてゆっくり凍らせていくとのことだった