Windows 10版プレースホルダーの復活

Microsoft Graphとの連携も興味深いが、筆者が注目するのは「OneDrive Files On-Demand」だ。Windows 8.x時代はクラウド上のファイルを必要に応じてローカルストレージにダウンロードするプレースホルダー機能が備わっていたが、Windows 10では廃止されている。端的に述べれば本機能は「Windows 10版プレースホルダー」だ。

エクスプローラーの列にオンライン/オフラインなどを示す「Status」が確認できる

同期範囲はOneDriveフォルダーに留まらない。デモンストレーションでは、デスクトップ上に生成したファイルが、別PCやスマートフォン(のOneDriveクライアント経由)でもアクセス可能であることを示していた。詳しくは、Windows 10 Insider Previewに搭載されたタイミングで改めてご報告したい。

OneDrive for Businessのプロパティダイアログ。オンライン上では1.37TBだが、ローカルストレージは1バイトも消費していない

デスクトップ上のテキストファイルをスマートフォンからアクセスするデモンストレーション。デスクトップはOneDrive for Business下にあった

操作履歴を同期する「TimeLine」

Microsoft Graphと連携することで実現するのが、「TimeLine」だ。タスクビューから過去に起動したアプリケーションをサムネイル表示し、必要であれば古いファイルを再編集可能になる。「ファイル履歴」をシームレスに使用できる仕組みを思い浮かべると分かりやすい。

また、Cortana経由で他のPCやスマートフォンへ作業内容を通知する機能も備えている。対応するアプリケーションがあれば、そのまま作業を続行できるため、1人で複数デバイスを操作する時代に即した機能となりそうだ。

タスクビューにアプリケーションの履歴が並ぶ「TimeLine」。検索機能も備える

他のPCでは作業中のアプリケーションや閲覧中のWebページ情報が通知される

通知はスマートフォンへも行われる

「設定」に加わった「Phone」。スマートフォンとの連携設定を行う

クリップボードをクラウド化する「Cloud-Powered Clipboard」

文字どおりクリップボードの内容をクラウド経由で同期する機能だ。デモンストレーションでは、PowerPoint上の文字列をコピーし、スマートフォンのキーボード(Word Flow Keyboardと思われるが詳細不明)を開くと、その内容がペースト可能になるというもの。Microsoft Graphを通じて実現しているという。

まずはPowerPointで任意の文字列をクリップボードにコピーする

するとスマートフォン側にはコピーした文字列が現れる。よく見ると「Copied from your Surface Studio」「Copied from your Surface Pro 4」とコピー元を示している