狙ったタイミングを逃さない高速性能

既存モデル「EOS M3」から、AFや連写などのレスポンス性能が向上し、動体撮影に強くなったことは「EOS M5」の大きな魅力だ。AFは「デュアルピクセルCMOS AF」によってスピーディに作動。使用レンズを問わず、合焦に待たされることはほぼない。AFフレームサイズを2段階から選択可能になり、厳密なピント合わせがしやすくなった点もありがたい。

連写は、ワンショットAF時で最高9コマ/秒、サーボAF時で最高7コマ/秒に対応。一眼レフ・EOS 80Dの連写速度が最高7コマ秒 (ワンショットAF時) であることを考えると、EOS M5の連写パフォーマンスは非常に高いといえる。

次の写真は、たくさんの枚数を高速連写した中から、表情やポーズのバランスがいいカットを選んで採用したもの。ペットなどの予測できない動きを撮るときは、この高速連写と高速AFが役に立つ。無音撮影や4K動画撮影には非対応だが、次世代機にこれらの機能が搭載されると、なお活躍の場が広がるだろう。

上海人モデルのルオミンさんと愛犬Muse。シャッター優先AE (F4 1/200秒) ISO200 WB:太陽光 焦点距離:11mm レンズ:EF-M11-22mm F4-5.6 IS STM

シャッター優先AE (F4.5 1/500秒) ISO200 WB:太陽光 焦点距離:11mm レンズ:EF-M11-22mm F4-5.6 IS STM

広角ズームもお気に入り

交換レンズに関しては、専用のEF-Mレンズは広角から標準、望遠ズーム、マクロまで今のところ7製品がラインナップされている。このうち、高倍率ズームと並んで個人的に使用頻度が高いのは、広角ズームの「EF-M11-22mm F4-5.6 IS STM」だ。

18-35mm相当の広い画角をカバーしながら、全長58.2mm、質量220gの軽量コンパクトな設計は、EOS M5装着時のバランスもちょうどいい。写りの満足度も高く、ズーム全域で開放値からシャープネスの高い描写が味わえる。風景の広がりや建造物のスケール感を表現したいときにも重宝する。

絞り優先AE (F8 1/500秒) ISO100 WB:太陽光 焦点距離:12mm レンズ:EF-M11-22mm F4-5.6 IS STM

絞り優先AE (F5.6 1/4000秒) ISO100 WB:太陽光 焦点距離:11mm レンズ:EF-M11-22mm F4-5.6 IS STM

ただ他社のミラーレスに比べた場合、EOS M専用のレンズラインナップはまだ豊富とはいえない。今年はぜひEF-Mレンズの拡充に期待したいところだ。特に明るい単焦点の標準レンズや中望遠レンズ、大口径ズームなどが加われば、EOS M5の魅力はさらに高まるはず。それまではアダプター経由でEFレンズを活用して楽しみたい。