学問の神様と言えば、福岡県太宰府市の太宰府天満宮だろう。年間約800万人もの参拝者が訪れ、受験シーズンにもなれば、参道は連日多くの人で埋め尽くされる。
そんな縁起のいい神社のそばに、2016年12月、「天然とんこつラーメン専門店 一蘭」の店舗がオープン。連日大行列を作る人気の秘密は、受験生などの合格を願って作られた「合格ラーメン」だ。麺や具材へのこだわりにとどまらない"験担ぎぶり"が話題の同メニューを早速紹介しよう。
「これでもかっ!!」の験担ぎの嵐
いまや人気は全国区となり、海外へも進出している博多発の「天然とんこつラーメン専門店 一蘭」。福岡には、限定メニューが食べられる"プレミアムショップ"がいくつか点在するが、2016年12月22日に登場した新たなプレミアムショップ「一蘭 太宰府参道店」は、受験生はもちろん、心願成就したい人は必ず訪れてほしいラーメン店だ。
のれんをくぐると、スタッフみんなが一斉に「幸せ~!」と明るい掛け声で迎えてくれる。一蘭おなじみの「味集中カウンター」(他の人の視線を気にすることなく、ラーメンを食べることだけに集中できるカウンター式の席)に座り、早速「合格ラーメン」(890円)をオーダーすると、「合格です!」という言葉とともに、五角形の丼に入ったラーメンが登場した。
唐辛子ベースの秘伝のたれや、とんこつスープは他の一蘭のメニューと変わらない。しかし一口食べようとすると……麺が長いのだ。なんと、長さは59cmもある。
「合格"ゴー(5)カク(9)"にちなんで、59cmの自家製麺を作りました。丼も五角形"ゴカク(合格)ケイ"にして、太宰府天満宮のご神木・飛梅にちなみ、梅の花と合格の絵馬をあしらっています」と語るのは、広報の坂根愛野さん。
博多ラーメンならではの細麺を「ツルツル」(鶴)、「噛め噛め」(亀)、細く長ーく食べてほしいという願いが込められた自家製麺は、すすりきるのに、途中で息継ぎが必要なほど、独特の食べ応えだ。
「替玉」(210円)も「必ず合格します!」という掛け声とともに提供してくれる。スープを飲み干すと、五角形の丼の底には「決定」という文字が! どこまでも合格を後押ししてくれる縁起物の一杯だ。
さらに合格ラーメン、替玉、半熟塩ゆで卵、脂解美茶をまとめて注文できる「合格セット」(1,410円)を注文し、食券機に2,000円を入れると、お釣りが590円"ゴー(5)カク(90)"になるというおちゃめな工夫も。食券販売機の横にある「合格袋」にお釣りを入れれば、ご利益があるかもしれない。
店内やスタッフの合格パワーがハンパない!
験担ぎは、メニューだけにとどまらない。わずか16席の小さな店だが、店内には、とにかく合格パワーがあふれているのだ。
コップは他店よりも大きい「トール」(試験に"通る")サイズのコップ。落ちないハンガー、五角形の合格箸、トイレには拭く紙(トイレットペーパー)を"福の神"とかけて、これでもかというほど、トイレットペーパーを設置するなど、抜かりない。「今後も、合格アイテムや合格にちなんだものを詰め込んでいきたいと思っています。同店だけの、特別な幸せ体験をしていただきたいです」と坂根さん。とことん合格を追求するその姿勢に、なんだか楽しい気分になってくる。
「もともと代表が、楽しいことを考えるのが大好きなんです。代表の名前も吉冨学、そして同店の立ち上げには、"通"や"祝"といった縁起のいい名前の社員がたくさん関わっています」とのこと。代表のお名前からして、受験や学問、商売にとってもご利益がありそうだ。
受験から就職、プロポーズまで、いろんな「合格」を応援!
これから本格的な受験シーズンが始まるが、同店には既に合格を勝ち取った人もたくさん訪れているという。プロポーズが成功した人、就職試験の面接に合格した人など、受験ばかりでなく、人生のさまざまなシーンで合格をつかみ、太宰府天満宮にお礼参りに来た人たちが、立ち寄っているようだ。
しかし一番多い客は、受験生やその家族。昭和35年の創業以来、スープ専門職人が長年の研究により作り上げた天然とんこつスープと、59cmの自家製麺、そしてスタッフの明るい言葉の数々は、しっかり心と体を温めて、元気にしてくれる。受験はもちろん、いろんな「合格」をつかみたい人を、おいしく後押ししてくれる名店だ。
●information
一蘭 太宰府参道店
住所: 福岡県太宰府市宰府2-6-2
アクセス: 西鉄太宰府駅から徒歩1分
営業時間: 9~20時
定休日: なし
※記事中の情報・価格は2017年1月取材時のもの。価格は税込