iWorkを使おう その4 表計算ソフト 報告書をたくさん作る人のためのNumbers

iWorkシリーズ、今回は「一応」表計算ソフトであるNumbersを紹介していこう。ここで一応、と言ったのはこのソフト、表計算ソフトとしての機能はもちろん持っているのだが、Microsoft Excelとはちょっと違う味付けがあるのがポイントだからだ。

一つのシートに別の表がいくつも貼り付けられる

Numbersでも他のiWorkソフトと同じように、まずテンプレートから選んで文書作成を開始する。ここではまず、その特徴を理解するために「空白」のテンプレートを選んでみよう。

他のiWorkソフトと同じようにテンプレートが表示される。まず「空白」レイアウトを選んでみよう

するとExcelのように全画面にセルが表示されるのではなく、シートの上部にセルが置かれている。そしてこのセル、左上にある「○」の部分をマウスカーソルでドラッグすると自由に動かすことができる。さらにツールバーにある「表」をクリックすると、ワークシートを増やすこともできる。Excelというワークシートのみで構成された表計算ソフトを使っている人にはとても不思議な感覚かもしれないが、Numbersはワークシートをパーツとして扱い、1枚のシートの上に自由に配置して相互に計算することができる。もちろんExcelと同じようにシートをタブで変えて利用も可能だ。

Excelのように全面にセルが表示されるのではなく、上の方だけ

しかもシートの上を自由に動かしてレイアウトできる

1枚のシートの上に違う表をいくつも置くこともでき、これらを相互に利用した表計算もできる

ではこのレイアウトで売上表を作ってみよう。まず最初の表に支店がある県と月を記入し、それぞれに金額を埋め、合計(sum)を設定して他の合計セルにもコピー。これらの扱いはExcelとほぼ同じだ。

「空白」レイアウトに県名と月、各月の売上を記入したところ

「=」を入れると計算式モードになる。ツールバーの「数式」ボタンならワンタッチで合計できる

「=sum(」まで入れてマウスカーソルで範囲指定しよう。計算式には範囲指定した部分の色がついていて、どこを参照しているかがわかりやすい

数式が入ったセルの適用範囲をマウスカーソルで指定しよう

表の大きさ決めとその他の機能

Numbers独特の設定としては表の大きさ設定がある。まず6カ月分のセルを選択して幅を狭くし、その上でさらに6カ月分を増やしてみよう。狭くしたい表を範囲指定してマウスカーソルでドラッグすると範囲指定された列が全て縮まっていく。右側に出ている数字は各列の幅になる。

範囲指定をしてマウスカーソルを端に当ててドラッグすると幅が狭くなる。端の数字は1列の幅を示している

表右端の丸で囲まれた部分をマウスカーソルでクリックすると横列が1列ずつ、同じ幅、同じスタイルで追加される。同じ部分をドラッグすると、横列が続けて追加される。

クリックすると1列ずつ増える。ドラッグするとまとめて列を追加できる。行を増やすときは左下の同じボタンを使う

表のスタイルやセルの枠線などは右側のインスペクタから変更できる。iWorkの場合、画像やテキストなどあらゆるものの設定はこのインスペクタから行うので覚えておこう。

表を選ぶと表に関するインスペクタが表示され、簡単に表のスタイルを変更できる。セルの枠線などもここから設定する

ではもう一つ表を増やしてみよう。ツールバーの「表」ボタンを押すと、インスペクタにあるのと同じようなスタイルを指定して新しい表を追加できる。

表ボタンから使いたい表のスタイルを選んでクリックすれば別の表が追加される

表を追加したら上と同じように県を設定し、それぞれの合計と平均を計算させてみよう。セルに「=」を記入して、上の表の年度合計のセルを指定すれば良い。同じシート上にある表でも参照できるのもNumbersの特徴だ。

「=」を記入して計算枠が表示されたら上の表の合計欄をクリック。「売上表のN2」を参照できる

最後に表からグラフを描画してみよう。売上表から売り上げ金額部分を選択してツールバーのグラフボタンをクリックし、使いたいグラフを選択すれば自動的にグラフ化される。月、県名などは自動的に参照される。

範囲指定をしてグラフボタンから折れ線グラフを選べば、毎月の売上を参照して自動的に色分けしたグラフが描かれる。間違って合計欄まで範囲指定しないように注意しよう

グラフを「インタラクティブ」にすると、毎月の売り上げをグラフで表し、下のスライダーで月を移動させてアニメーションさせることができる。プレゼン資料などを作るのにオススメだ

それぞれの表から別のグラフを描画させてみた。これらは自由に移動して配置できる

最後にテキストと写真を貼って報告書として完成させよう。ともにツールバーの「T」ボタンと「メディア」ボタンから追加できる。写真に関してはドラッグ&ドロップでも追加可能だ。

テキストボタンでテキストを追加。メディアから「写真」アプリに入っている写真を参照して追加して配置。どちらも自由に動かせる

バランスを取るためにグラフは少し小さくしてある。写真などと同じように、ガイドをドラッグすれば大きさを調整できる

最後にどのような文書になっているかを確認しよう。ファイルメニューから「プリント…」を選ぶと、指定した用紙サイズの中にどのようにパーツが収まっているかを目で見て確認できる。自動調整が入っていれば、用紙サイズに収まるように自動的に拡大/縮小する。

「プリント…」で出力物をプレビューできる。用紙サイズやページの方向を変更して収まりのいいレイアウトを考えよう。自動調整が入っていれば収まり良いサイズに自動的に拡大/縮小する

ここまででNumbersを使った基本的な文書が作れるはずだ。次回はもう少し掘り下げると同時に、iPhoneでNumbersをどう使うかを考えてみよう。