2016年9月21日、韓国サムスン・エレクトロニクス(以下、サムスン)が、NVMe 1.2に対応した高性能SSD「Samsung SSD 960 PRO」および「Samsung SSD 960 EVO」を発表した。サムスンは昨年(2015年)の9月に、同社のコンシューマー向けSSDとして初めてNVMeに対応した「Samsung SSD 950 PRO」を発表したが、今回のSamsung SSD 960 PROはその後継となる。
Samsung SSD 960 PRO(以下、960 PRO)は、プロフェッショナルユーザーをターゲットにしたハイエンドモデルで、もう一方のSamsung SSD 960 EVO(以下、960 EVO)は、コストパフォーマンス重視のメインストリーム向け製品だ。今回は、Samsung SSD 950 PROの1TBモデルを試用する機会を得たので、早速その性能を検証してみた。
M.2 2280準拠で世界初の2TBを実現、性能もさらに向上
960 PROはM.2フォームファクタに準拠し、インタフェースはPCI Express 3.0 x4に対応している。M.2規格では、長さと幅が異なるいくつかのサイズが規定されているが、990 PROは幅が約22mm、長さが約80mmの2280規格に準拠。NANDフラッシュメモリとしては、サムスンの第3世代2bit MLC V-NANDが採用されている。コントローラは、新開発の「Samsung Polaris Controller」。従来のコントローラは3コアのCPUであったが、Polarisは5コアに強化されたことで、書き込み処理のさらなる分散が可能になり、ランダムライト性能の向上に貢献している。
容量のラインナップは、512GB、1TB、2TBの3モデルだ。特に2TBモデルは、M.2フォームファクタの製品としては世界初。キャッシュメモリとしてLPDDR3 DRAMを搭載し、キャッシュ容量は512GBモデルが512MB、1TBモデルが1GB、2TBモデルが2GBとなる。
シーケンシャルリード速度とシーケンシャルライト速度は、全モデル共通だ。リードが最大3,500MB/秒、ライトが最大2,100MB/秒となっている。ちなみに、旧製品のSamsung SSD 950 PRO(以下、950 PRO)の512GBモデルは、シーケンシャルリードが最大2,500MB/秒、シーケンシャルライトが最大1,500MB/秒だったので、リードもライトもかなり高速化されている。
ランダムアクセス性能も非常に高く、512GBモデルの4KBランダムリード(QD32)は最大33万IOPS、4KBランダムライト(QD32)は最大33万IOPS、1TBモデルと2TBモデルの4KBランダムリード(QD32)は最大44万IOPS、4KBランダムライト(QD32)は最大36万IOPSだ。
950 PROの512GBモデルは、4KBランダムリード(QD32)が最大30万IOPS、4KBランダムライト(QD32)が最大11万IOPSだ。960 PROになってランダムリードは約1割の向上だが、ランダムライトは3倍も性能が向上していることになる。書き込み可能容量(TBW)は、512GBモデルが400TBW、1TBモデルが800TBW、2TBモデルが1,200TBWとトップクラスであり、保証期間も5年間と長い。
■Samsung 960 PRO | |||
---|---|---|---|
512GBモデル | 1TBモデル | 2TBモデル | |
キャッシュメモリ(LPDDR3) | 512MB | 1GB | 2GB |
シーケンシャルリード | 3,500MB/秒 | ||
シーケンシャルライト | 2,100MB/秒 | ||
ランダムリード(4KB・QD32) | 33万IOPS | 44万IOPS | 44万IOPS |
ランダムライト(4KB・QD32) | 33万IOPS | 36万IOPS | 36万IOPS |
ランダムリード(4KB・QD1) | 14,000 IOPS | ||
ランダムライト(4KB・QD1) | 50,000 IOPS | ||
TBW(Total Byte Written) | 400TB | 800TB | 1,200TB |
保証 | 5年、またはTBWの範囲内 | ||
※シーケンシャルアクセスとランダムアクセスは最大値 |
■Samsung 960 EVO | |||
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250GBモデル | 500GBモデル | 1TBモデル | |
キャッシュメモリ(LPDDR3) | 512MB | 512MB | 1GB |
シーケンシャルリード | 3,200MB/秒 | ||
シーケンシャルライト | 1,500MB/秒 | 1,800MB/秒 | 1,900MB/秒 |
ランダムリード(4KB・QD32) | 33万IOPS | 33万IOPS | 38万IOPS |
ランダムライト(4KB・QD32) | 30万IOPS | 33万IOPS | 36万IOPS |
ランダムリード(4KB・QD1) | 14,000 IOPS | ||
ランダムライト(4KB・QD1) | 50,000 IOPS | ||
TBW(Total Byte Written) | 100TB | 200TB | 400TB |
保証 | 3年、またはTBWの範囲内 | ||
※シーケンシャルアクセスとランダムアクセスは最大値 |