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妊娠中は、免疫の力が下がっているせいか、風邪をうつされがちです。でも、薬を飲んでいいのか迷いますね。市販の薬は使っても大丈夫なのでしょうか。今回は、En女医会の産婦人科専門医・間瀬有里先生にお聞きしました。
風邪薬は大丈夫?
ーー妊娠がわかったら、市販の風邪薬は飲まないほうがいいのでしょうか?
「飲んではいけません」とハッキリ言うことはできませんが、「飲んでも大丈夫」とも言い切れません。市販の薬には、何が入っているか自己判断を下すことが難しいからです。でも、風邪薬は産婦人科でも処方できますのでご相談ください。また、お持ちいただければ成分を確かめますよ。
鎮痛剤にも注意が必要?
ーーホルモンバランスの変化やストレスで、妊婦さんは頭痛を感じがちだと聞きますが、市販の鎮痛剤は飲んでも良いのでしょうか
妊娠中は、市販の鎮痛剤は避けたほうが良いでしょう。イブプロフェンを主成分とするものが安全とは言われていますが、こちらは妊娠後期には避けたほうが良いとも言われています。
アセトアメノフェンはさらに妊婦にも安心とはされていますが、それでも長期服用は避けるべきです。ロキソニンはまだ妊娠中の作用について安全性は確立されていませんので、注意が必要です。
ーーやはり飲み方、飲む時期など、不安はありますね
そうですね。頭痛がどうしても気になる場合は、産婦人科でも処方します。自己判断で市販の鎮痛剤を飲む前に相談してください。ケガをしてしまって鎮痛剤が必要なときには、整形外科の先生に必ず妊娠中であることを伝え、適正な鎮痛剤を処方してもらいましょう。
ーー頭痛はどう解消するのが良いのでしょうか
頭痛を引き起こす重大な病気を持っていないのに、日常的に頭痛に悩まされている場合は、ストレスや疲労が原因のことが多いでしょう。
その場合は、ぬるめのお風呂にゆったりとつかったり、肩や首、こめかみをやさしくマッサージしたりすることで解消する場合も多くあります。友人や家族と楽しく話をしているだけで気がまぎれて、頭痛を感じなくなる場合もあるかと思います。薬を飲む前に、リラックスして痛みの解消をまず試みましょう。
虫刺され用の薬は安全?
ーー虫刺され用の薬はどうでしょうか
少量塗る貼付薬に関しては、あまり気にする必要はないでしょう。しかし、妊娠中は皮膚も過敏になっていることがあるので、塗って違和感がある場合にはすぐに使用を中止してください。また、同じ場所に長期にわたってつけるのは避けます。
ーー虫さされ防止のスプレーは使用しても良いですか?
これも少量なら気にすることはないでしょう。でも、気になるようならオーガニックの製品や、子どもでも使える低刺激のものを使いましょう。昨今は、日本でも蚊が媒介する感染症の心配があります。胎児に影響がある場合もなくはないので、なるべく蚊に刺されないように注意しましょう。
ーーありがとうございました!
■プロフィール
間瀬有里
2003年 日本医科大学卒業。150人以上の女性医師(医科・歯科)が参加するEn女医会に所属している(En女医会とは、会員が持つ医療知識や経験を活かして商品開発を行い、利益の一部を社会貢献に使用し、医療分野での啓発活動を積極的に行っている団体)。
産婦人科専門医、指導医。医学博士。大学病院助教を経て、現在、東京ミッドタウンクリニック勤務。長年の大学病院勤務経験を生かし、現在は健診業務から一般外来診療まで幅広く対応している。二児の母としても、日々奮闘中。