【レビュー】

Windows 10 Insider Previewを試す(第68回) - Edgeの新拡張機能やWSLの更新が加わったOSビルド14936

2016年9月28日(米国時間)、MicrosoftはWindows 10 Insider Preview ビルド14931を、ファーストリングを選択したPCおよびモバイル向けにリリースしたことを公式ブログで明らかにした。新たなMicrosoft Edge用拡張機能や、ファイル共有機能の改善、Windows Subsystem for Linuxの更新が行われている。

Microsoft Edgeに2つの新機能拡張が登場

Windows 10 Insider Preview ビルド14391では、Microsoft Edgeに新たな拡張機能が加わった。それが「Tampermonkey」である。執筆時点では「ストア」から参照できないため、先のリンクから参照する他はない。Tampermonkeyは特定のWebサイトに対して機能拡張や表示内容をカスタマイズするJavaScriptベースのユーザースクリプトを実行する基盤だ。既にMozilla FirefoxやGoogle Chrome版がリリース済みのため、利用してきた方も少なくないだろう。かく言う筆者は長年Mozilla FirefoxでGreasemonkeyを浸かっているため、実は今回初めて触れることになる。

新たに加わった拡張機能「Tampermonkey」

Tampermonkeyのオプションページ。更新タイミングやレイアウトなどを調整できる

ユーザースクリプトを管理・配布するサイトは少なくないが、これから始めるのであれば「Greasy Fork」あたりが無難だろう。Microsoft Edgeでアクセスし、気に入ったユーザースクリプトページの<スクリプトをインストール>をクリックすれば、ワンステップでインストールできる。後は対象となるWebサイトにアクセスすれば、その結果を確認できる仕組みだ。下図はGmail Compactインストール前後の状態を撮ったものだが、ご覧のとおりユーザースクリプトが稼働し、その効果を確認できる。

こちらはMicrosoft EdgeでGmailにアクセスした状態

「Gmail Compact」をインストールしてリロードすると、行間などが調整された状態でGmailが表示される

もう1つの拡張機能が「Turn Off the Lights for Microsoft Edge」。YouTubeに代表される動画サイトにアクセスした際、自動もしくは手動で背景部分の配色を黒色に変更することで、映像に対する没入感を高めるというものだ。指定したWebサイトに応じて内蔵/Webカメラや音声認識の有効化も行える。

もう1つの新拡張機能「Turn Off the Lights for Microsoft Edge」

Turn Off the Lights for Microsoft Edgeのオプションページ。背景色の指定などが行える

こちらが通常のYouTube。画面左下にはTurn Off the Lights for Microsoft Edgeのボタンが現れる

こちらがナイトモードを有効にした状態。動画の内容に西遊されるが、先ほどよりも観やすくなった

Microsoft Edge用拡張機能は、今回のTurn Off the Lights for Microsoft EdgeとTampermonkeyを含めると、(Microsoft Personal Shopping Assistantなど、ストアに並ばない拡張機能もあるので不明確だが)15アイテムを超えた。だが、Webブラウザーの利便性を高めるという意味では、Tampermonkeyがもっとも大きな存在となるだろう。なぜなら利用者が普段からアクセスするWebサイトに応じてユーザースクリプトを取捨選択することで、爆発的に使い勝手が向上するからだ。もちろん過度にユーザースクリプトを追加していくと、その分JavaScriptを実行するため、Microsoft Edgeの動作や表示スピードが緩慢になるリスクはあるものの、Mozilla FirefoxやGoogle Chromeで当たり前に使えてきた機能がMicrosoft Edgeにも加わったことになる。

WSLの更新とUbuntu 16.04への対応

OSビルド14936では、NASデバイスとファイルサーバーへの接続に影響を与える認証についても変更が加わった。以前のビルドでは、SMB共有を行ったNASデバイスや他のPC上で設定した共有フォルダーをネットワークドライブ化しても、消えてしまう問題が発生していたという。筆者も普段からNASや他のPCの共有フォルダーを参照していたが、特に違和感を覚えることはなかった。これはセキュリティ情報MS16-110が起因する問題らしく、Microsoftアカウント有効時にWindowsファイアウォールプロファイルにアクセスすると、ゲストまたはパブリックネットワークのSMBリソースにNTLM認証が可能になっていたセキュリティホールが関係していたという。ネットワーク設定を"プライベート"にしている場合、大きな問題とはならないだろう。

また、WSL(Windows Subsystem for Linux)の更新も、OSビルド14936で加わった変更点の1つ。従来はUbuntu 14.04 LTSのイメージファイルを展開していたが、本ビルドからUbuntu 16.04に変更している。「lxrun /install」で更新できるとあるが、筆者が確認したところ、既にBUW(Bash on Ubuntu on Windows)を有効にしている場合は正しく動作しない。そのため、「lxrun /uninstall /y」を実行して一度アンインストールを実行してから、再度インストールを実行するとイメージファイルのダウンロードが始まった。だが、執筆時点ではイメージファイルが更新されていないのか、Ubuntu 16.04に更新できない。

「Bash on Ubuntu on Windows」は、管理者権限を持つコマンドプロンプトからインストール/アンインストールできる

今回試したところ、ダウンロードされるイメージはUbuntu 14.04 LTSのままだった

そこでMicrosoft WDG(Windows and Devices Group) ソフトウェアエンジニアのDona Sarkar氏は「do-release-upgradeコマンドを使え」と述べているため、「sudo apt-get upgrade -y」で必要なパッケージを更新してから、「sudo do-release-upgrade」をコマンドを実行したところ、少々時間を要したが、無事Ubuntu 16.04に更新できた。なお、WSLのリリースノートを確認すると、chrootシステムコールの実装も新たに行われている。BUWも着々と完成度を高めているようだ。

「sudo do-release-upgrade」コマンドでイメージをアップグレードできる

10数分でアップグレードが完了し、「lsb_release -d」コマンドでディストリビューションバージョンを確認すると、無事16.04に更新できた

OSビルド14936の修正と既知の問題

さて、ここからはPC版およびモバイル版の修正内容と既知の問題を紹介する。まずはPC版の修正箇所から。

  • 「ナレーター」と「Grooevミュージック」を同時使用中に、コントロールが利かない問題を修正した。
  • 「設定」で[Tab]キーを押すと応答しなくなる問題を修正した。
  • 複数のネットワークスイッチが原因でエクスプローラーが頻繁にクラッシュする問題を修正した。

次はPC版で確認された既知の問題を紹介する。

  • 「Windowsの機能」によるコンポーネントの管理が正しく動作しない。その場合は、1度チェックボックスのオン/オフを切り換えてPCを再起動してから、再び有効にする。
  • Tencent製アプリケーション/ゲームを実行すると、BSoD(BlueScreen of Death)が発生する問題を確認している。
  • 「sfc /scannow」コマンドを実行すると、20パーセントでエラーが発生する。

今度はモバイル版の修正内容を紹介する。

  • PINパッド(PIN入力用の数字キーボード)が表示されず、ロック解除できない問題を修正した。
  • いくつかのデバイスでSIMカードが認識しなくなる問題を修正した。
  • モバイルホットスポット機能を初めて使う際、スマートフォンを再起動するまで使用できない問題を修正した。
  • Lumia 650などの1部のデバイスで、エラー0x80188308が発生し、新しいOSのインストールに失敗する問題を修正した。
  • OSビルド更新時にエラー0x800703edが発生し、失敗する問題を修正した。
  • アクションセンターが空の状態でスワイプしても閉じない問題を修正した。
  • アクションセンターに通知が表示された際、予期せぬアプリケーションロゴが表示される問題を修正した。
  • プリインストールOSがWindows Phone 8.1だったLumia 930およびLumia 1520で、ヘッドセットが正しく動作しない問題を修正した。

最後にモバイル版に関する既知の問題を紹介する。

  • アプリケーションのインストール先としてSDカードを指定している場合、WeChatやFacebook Messenger、WhatsAppといったアプリケーションがエラーになる問題を確認している。回避するにはインストール先を既定(本体のストレージ)に戻す。

阿久津良和(Cactus)

前回の記事はこちら
・Windows 10 Insider Previewを試す(第67回) - 今回はPC向けIPのみリリースしたOSビルド14931
http://news.mynavi.jp/articles/2016/09/23/windows10/
バックナンバー 一覧へのリンク
http://news.mynavi.jp/tag/0021413/
Windows 10 すべてがわかる特集記事はこちら
【特集】~インストールから設定・活用まで~ すべてが分かるWindows 10大百科
http://news.mynavi.jp/special/2015/windows10/
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