8月24日~26日までの3日間、パシフィコ横浜で開催された日本最大級のゲーム開発者会議「CEDEC 2016」。ここでは25日に行われたセッション「スカルプトマイスター2016」の模様をお届けする。

ほぼ満席の状態でスタートした「スカルプトマイスター2016」

今回の「スカルプトマイスター2016」は、国内外のゲーム・映像会社からエースアーティストが集結し、2時間以内にキャラクター(ヒーロー、もしくはヴィラン=悪役)を完成させるライブスカルプトを披露するという内容だ。

登壇したアーティストは、重山孝雄氏(Cygames)、野田哲朗氏(スクウェア・エニックス)、高木康行氏(カプコン)、笠間豊氏(ポリゴン・ピクチュアズ)、森田悠揮氏(フリーランスアーティスト)、宮国賢剛氏(バンダイナムコスタジオ)、高橋謙介氏(バンダイナムコスタジオ)、山家遼氏(ModelingCafe)、松下祥風氏(プラチナゲームズ)の9名。

また、司会進行・解説役は、大森成氏(Valve Corporation)、黒籔裕也氏(カプコン)、谷本裕馬氏(Cygames)が担当した。

業界トップのCGアーティスト9名がライブスカルプトで実践テクニックを披露

これまで過去2回行われたスカルプトマイスターだが、今回はベースモデルが使用可能に。この変更点について、過去のスカルプトマイスターに参加していた黒籔氏から「イチからの制作では使う機能が限られ、結果、似たようなテクニックになりがちだった。このため今回は“フィニッシュワークに重きを置く”というコンセプトに変更した」との説明があった。

「ZBrush」や「Maya」を中心にさまざまなツールとの連携を見せていた

本セッションでは、ほとんどのアーティストがワコムの液晶ペンタブレット「Cintiq 27 QHD」を使用。また、3Dモデリングツール「ZBrush」や「maya」をメインに、「3D-Coat」「LightBox」「Substance Painter」といったツールとの連携を披露していた。

制作にはワコムの液晶ペンタブレット「Cintiq 27 QHD」を使用

造形の進行具合や作成ポイントを紹介しながらあっという間が経過し、各アーティストが描くヒーローやヴィランが完成。作品は2時間という限られた中で作られたとは思えないクオリティのものばかり。大森氏は「やはり、これまでと条件が違っていたので心配な部分もあったが、いざ完成してみるとスピードスカルプトとは思えない造型・完成度の高さ。大成功ですね」と本セッションの感想を述べ、参加アーティストへの称賛を贈った。

重山孝雄氏の完成作品

野田哲朗氏の完成作品

高木康行氏の完成作品

笠間豊氏の完成作品

森田悠揮氏の完成作品

宮国賢剛氏・高橋謙介氏による共同作品

山家遼氏の完成作品

松下祥風氏の完成作品

9名の作品の集合写真

なお、「スカルプトマイスター2016」のセッションの模様は、ニコニコ生放送のタイムシフト視聴で可能なほか、後日、動画のアップロードが予定されているとのこと。興味を持った方はぜひチェックしていただきたい。