日本マクドナルドホールディングスは、2016年12月期の中間決算で営業損益を黒字に戻した。当初は赤字の予想だったが、売上高の増加や昨年から進めている「ビジネスリカバリープラン」の進捗などが功を奏し、損益面が大幅に改善したという。新メニューの相次ぐヒットなど、最近は明るい話題も多かった印象のマックだが、このまま復活への道を歩んでいくことができるのだろうか。

マック復活の道筋が見えてきた

損益面が当初予想を上回る改善

今年の中間決算となる2016年1~6月の業績は、連結売上高が前年同期比23%増の1,048.93億円。損益面では前年同期に182.91億円の営業赤字を計上していたが、今期は4,700万円の黒字とした。中間決算で黒字化を達成したのは2014年以来2年ぶりのことだ。

当初の見通しでは連結売上高は1,040億円の予想だった。予想と実績の差は1%以内と誤差程度なので、売上高は当初の想定通り、堅調に推移したものとみることができる。注目したいのは損益面の予想が結果的に上振れで着地した点。18億円の営業赤字予想を、4,700万円とはいえ黒字に転換できたところに、マック復活の兆しを読み取ることもできそうだ。

損益が予想以上に改善した要因はどの辺りにあったのか。これまで業績が低迷していた頃は売上が伸びず、どうしても“仕入れ過ぎ”の状態になっていた材料費が、売上が戻ったことで適正な状態になってきたことの影響が大きいようだ。さらには、マックが昨年から進めるビジネスリカバリープランに含まれる、不採算店舗の「戦略的閉店」の効果も現れてきているという。

ただ、今回の上期業績は予想を上回っているものの、マックは下期業績が通期業績に与える影響が大きいビジネスモデルであり、今後の動向は慎重に見極める必要がある。同社では通期業績見通しについて現時点で上方修正しないとしており、従来の33億円の営業黒字予想を据え置いた。

同社が下期に投入する新メニューの売れ行きや、店舗改装などによる顧客満足度の向上が、下期業績にどのような影響を与えるか。下期業績には、7月から始まった「ポケモンGO」とのコラボレーション効果も大きく影響してくるだろう。