日本マクドナルドホールディングスが発表した2016年7月の月次レポートは、同社の好調を物語るものだった。前年同期に比べると、全店売上高は22.2%、客数は9.8%の増加。好調の理由を「Pokemon GO」とのコラボレーション効果に求めるのは簡単だが、他に要因はあったのだろうか。

見過ごせない新メニュー攻勢の威力

マックの業績を見る場合に気をつけたいのは、月次レポートの数字が前年同月比で何%増減したかを示すものであること。2016年に入ってからの月次レポートを見ると、全ての月で売上高・客数ともに前年同月比プラスの業績を出し続けているが、比較対象となっている2015年12月期は、全店売上高が前期比14.8%減少の1894.73億円、営業損益が234.4億円の赤字と業績が振るわなかった年だ。

とはいえ、無策では前年同期比プラスを続けることができないのも当然の話。好業績を支える要因として、見逃せないのはマックの新メニュー攻勢だ。

バーガーラブ路線で新メニューを次々に投入。写真は同路線第2弾「クラブハウスバーガー」(左)と第5弾「1971 炙り醤油ジャパン」

同社は2016年4月に「BurgerLove」(バーガーラブ)路線を打ち出し、このコンセプトのもと次々に新商品を投入している。第1弾の「グランドビッグマック」は一時的に販売に規制がかかるほどの売れ行きを示し、その後の新商品も軒並み好評を博しているようだ。

Pokemon GO効果、いつ分かる?

では、Pokemon GOとのコラボは業績にどのくらい影響しているのだろうか。同社は近く2016年12月期の第2四半期決算を発表するが、これは4~6月の結果なので、7月に始まったPokemon GOとのコラボが、実際の売上高にどのくらいの影響を与えているかをすぐに知ることはできない。この辺りの詳細については、第3四半期決算を待つしかないだろう。

Pokemon GOとのコラボは集客に結びついている

しかし、Pokemon GOとのコラボがファミリー客をはじめとする多くの顧客が来店した一因となっていることはマックも認めるところ。マックが「ポケストップ」や「ジム」に設定されたとしても、Pokemon GOのプレイヤーは店外からでもアクセスできるし、入店したとしても飲み物を頼むくらいで、売上高の増加には寄与しないのでは、という予想もできたわけだが、月次レポートを見る限り、このコラボは同社の業績に好影響を与えていると考えても良さそうだ。

マックが2016年2月に発表した今期の業績見込みによると、全店売上高は4,250億円、営業損益は33億円の黒字という予想になっている。新メニュー攻勢やPokemon GO効果などが、同社が黒字転換を達成する要因となるか。今後の展開に注目したい。