セブン-イレブンが5日から開始した「アジアンフェア」。アジアンフードとアジアンスイーツを複数品陳列し、今夏の目玉商品として集客したい考えだ。しかし、それは表向きな捉え方に過ぎない。セブン-イレブンは今回のフェアをコンビニの新しい試みと考えている。

アジアンフェアの販売商品

セブン-イレブンがアジアンフェアで売り出すのは、タンドリーチキン風サラダ、トム・ヤム・クン、牛肉と野菜のフォーなどスパイスやハーブの効いたアジアンフード(12日以降順次発売)、そして南国のフルーツを使ったマンゴープリンやパインケーキなどのアジアンスイーツだ。

トム・ヤム・クンはパクチーの風味がしっかりとしており、タンドリーチキン風サラダはお腹にたまる重量感がある。マンゴープリンも後を引くような甘さもなく、男性でも十分味わえる商品に仕上がっている。

銀座デリー監修 タンドリーチキン風サラダ

トム・ヤム・クン

牛肉と野菜のフォー

ヨーグルトホイップ&マンゴーサンデー

ひんやり爽やかマンゴープリン

しっとり☆パインケーキ

今回のフェア開催の狙いについて、「代々木公園などでアジアンフードのイベントなどが頻繁に行われている。そうした需要をうまく取り込みたい」(商品本部FFデイリー部)とするが、それは表向きの表現に過ぎない。今回のアジアンフェアには、売り場の課題解決を図る狙いも隠されているのだ。

アジアンフェアが単なるフェアじゃない理由

セブン-イレブンではこれまでも"フェア"と銘打ち、商品販売を行ってきたことはある。しかし、それはスイーツだけのフェア、惣菜だけのフェア、といったように、カテゴリーごとの展開に過ぎなかった。

アジアンフェアが新しいのは、惣菜、デザートといったように、カテゴリーを横断して取り組むという点だ。"アジアンフード"というキーワードで新商品をまとめ、それをひとつの場所に集約して売る。商品をまとめることで、ある程度の売り場面積を占め、存在感を出すことが可能となる。逆にこれまでは、販売の現場で商品をオススメしても、それが単品だとどうしてもインパクトに欠けてしまう。それが課題ともいえた。今回のような商品横断的なフェアであれば、お客も販売の現場も何がウリなのかがわかりやすいというわけだ。

デパートの物産展のように、こうした取組みはすでに存在するものだが、コンビニ業界にいたっては話は別。「同様の企画を他のコンビニで見た記憶がない。少なくとも当社では初めて」(セブン-イレブン・ジャパンFFデイリー部)としており、新たな売り方となるようだ。

アジアンフェアは全国の18785店舗(2016年6月末現在)で行われ、7月いっぱいは続く予定だ。今後については、「まだ具体的な話が進んでいるわけではない」としつつも、検討していきたいとする。セブン-イレブンの見慣れた売り場が今回のフェアをきっかけに、大きく変わる可能性がありそうだ。