目を開けるとそこは知らない街だった。東京に住み東京で働く筆者にとって、目的のない遠征は避けたいものだが、電車で居眠りをしているとそうもいかないことが多々ある。そこで興味を持ったのがキングジム「めざましイヤホン」。その名のとおり目覚まし機能を持つイヤホンで、設定した時間になるとイヤホンが振動してユーザーを起こしてくれるという。さっそく、電車に揺られながら試してみた。

めざましイヤホン。実勢価格は税込6,450円前後

めざましイヤホンは左右のユニットにモーターを内蔵。起きたい時刻を設定する「アラーム機能」と、何分後に起きたいかを設定する「タイマー機能」を用意しており、時間になるとモーターが振動する仕組みになっている。

左右のユニットにモーターを内蔵しているためか、きょう体はやや大きめ

イヤホンの内部構造

コントローラー部。目覚まし(アラーム/タイマー)のセットやバイブレーションの停止などを操作できる

「イヤホン」なので、もちろん音楽リスニングにも使用可能。コントローラー部に3.5mm端子を設けており、付属のオーディオ用ケーブルでプレーヤーとイヤホンとをつなげられる。音楽リスニング中もアラーム機能は有効なので、音楽が鳴っている最中も設定した時間通りに振動する。

コントローラー部に3.5mm端子を搭載し、付属のケーブルでプレーヤーと接続できる

筆者はプレーヤーにつながず、純粋な目覚まし装置として使用。振動のレベルは3段階から選択できるが、今回は中レベルで試してみることにした。今回は、東京メトロ東西線の中野駅から乗車し、茅場町での下車を目指す。コンディションを整えてきたので(前日の睡眠時間は4時間、しかも昼食のあとに決行した)、確実に眠くなるはずだ。シートに座り、耳にイヤホンを装着してぼんやりと目をつぶる。

その後うつらうつらを続け、そろそろ完全に眠りに落ちる、という寸前のこと。突然何かに脳みそをシェイクされたと思ったらイヤホンの振動だった。いきなりビクンと体を起こしたので、人が少ない時間帯の電車で本当に良かったと思う。自分の頭に振動モーターが内蔵されているのではないかと勘違いしそうになるほど、脳がダイレクトに揺れる感覚が来るのだ。そのまま10秒以上「ブーッ、ブーッ」と一定のリズムで振動し続けるので、まったく気づかず寝続けてしまう、という事態は考えにくいと思う。

装着したところ。やや大きめだが、そのぶんぴったりとはまる感覚がある

ケーブルは少し長く感じるかもしれない。コントローラー部にケーブルを巻きつけておけるが、きちんと巻かないとやや余る

個人的な関心ごとは「目覚ましに6,500円払う人がどのくらいいるのか」という点だが、寝過ごし常習者でこれまでの「遠征費」が6,500円を超えているというのなら、正直アリな製品だ。これがあればもう、知らない土地のよくわからないカラオケ店で夜を明かさなくて済むのが良い。もはやイヤホンのレビューではなくなってしまったが、「座り寝専用目覚まし」として優秀な製品であると、ここに記しておきたい。