GoProに新たな展開。"エコシステム"が加速するか

米国時間の4月14日に米GoProが米サンフランシスコでプライベートイベントを開催し、「GoPro Developerプログラム」を発表した。サードパーティの製品やサービスとGoProカメラをシームレスに連動させ、優れたユーザー体験の構築をサポートするプログラムだ。

昨年(2015年)は、トヨタが北米向けピックアップトラック「Tacoma」の2016年モデルにGoProマウントを標準装備すると発表した。今年(2016)1月には、ライブ動画配信サービス「Periscope」において、GoProカメラを使って撮影したビデオを直接Periscopeでライブストリーミングできるようになった。そのような優れたコラボレーションが、これから続々と登場すると期待できる。

サードパーティとの関係を強化していくとGoPro CEOのNick Woodman氏

GoProは同社のカメラを「世界一多才なカメラ」とアピールしている。その意味は、GoProのカメラで撮影された映像を見たら分かる。サーフィン、スキー、スノーボード、スケートボードといったスピード感のあるスポーツを体験しているような映像、疾走する車からの風景、ドローンからの空撮、動物の視点など、YouTubeなどにはGoProで撮影した魅力的な映像があふれている。

しかし、GoPro自体は、軽量・コンパクト、頑丈でシンプルに使えるアクションカメラに過ぎない。GoProを多才なカメラにしているのは、GoProの特長を生かして面白いビデオを撮影しようとする人々のアイディアである。そして、そんなアイディアを持っているのはユーザーだけではない。

GoPro CEOのNick Woodman氏は「ここ数年、われわれは他のブランドが、それぞれのソリューションにGoProを統合する時の熱意、そのクリエイティビティに驚かされてきた」と述べた。今回のDeveloperプログラムは、GoProを活用するサードパーティがアイディアを実現できるようにサポートし、GoProのエコシステムを拡大させる。

Woodman氏はGo Pro Heroを「キャプチャ・モジュール」と表現

Developerプログラムのツールキットは、以下の3点からサードパーティをサポートする。

  • モバイルアプリ : GoProカメラに接続するモバイルアプリを構築可能。カメラの操作やコマンド、ビデオプレビュー、メディア管理といった機能を利用できる。
  • デバイス : HEROBusを通じてGoProカメラに装着、またはBluetoothやWi-Fiを通じてGoProカメラに接続するハードウエアを開発できる。
  • マウント/ハウジング : GoProデバイスを安定して固定するマウンティング・ソリューション。

トヨタやPeriscopeのような成果が生み出されているように、これまで非公開ではあったが、GoProは一年以上も前からパートナーとDeveloperプログラムに取り組んできた。そのため正式発表時ですでに、100以上のサードパーティが参加しており、早くもGoProカメラの新たな展開を予感させるものになっている。

GoPro Developerプログラムとともに、GoPro対応製品を検定・承認する「Works with GoPro」も用意