【レポート】

ドコモ「3秒クッキング」の舞台裏とWebでバズる動画のポイント - VISUAL TREND2016

登壇したNTTドコモ プロモーション部主査・深田大介氏

ゲッティイメージズ ジャパンと日経デザインは7日、3名の講演者が登壇する特別セミナー「VISUAL TREND2016」を、東京都・丸の内のJPタワー ホール&カンファレンス 4Fカンファレンスルームにて開催した。ここでは、同日のプログラムの中から、2000万回の視聴回数を獲得したWeb動画広告「3秒クッキングシリーズ」を仕掛けた、NTTドコモ プロモーション部 第一制作担当主査の深田大介氏による講演「3秒クッキングができるまで」の模様をレポートする。

「3秒クッキングシリーズ」は、世界最大級の広告賞である「カンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバル」において多数の賞を獲得したNTTドコモのWeb動画広告。2014年11月にYouTubeの「ドコモ公式チャンネル」で公開された「3秒クッキング 爆速エビフライ」篇は1,593万回(7日現在)の再生回数を記録し、2015年2月に公開された続編「3秒クッキング爆速餃子」篇の再生回数も622万回以上にのぼっている。

7日現在、1,593万回以上の再生回数を誇る「3秒クッキング 爆速エビフライ」篇

筒の中から飛び出した食材が、炎などを超高速に通過して、瞬時に"調理"されるようすを、料理番組風に紹介するというナンセンスさと、CGを使用せず綿密な計算と検証による実写撮影であることなどが受け、SNSなどで拡散されネット上で話題となった。この動画の仕掛け人が、講演者である深田大介氏(NTTドコモ プロモーション部 第一制作担当主査)だ。

深田氏は冒頭で、こうしたWeb動画を作るまでの経緯について、サントリーの「忍者女子高生」動画やスバルの「進撃の巨人」コラボCMが話題となり、「ドコモにもこんな動画が作れないものか」と考えたのがきっかけだという。情報過多の中で話題に上るコンテンツを作るには「企業の伝えたいことの押しつけではなく、"自分ごと"として捉えられるエッセンスを含めることが大切」だと考え、"企業が言いたいこと"を抑えてでも、"広告を目に触れてもらうこと"のほうが重要であるとし、企業の商品やサービスの押しつけではなくブランドイメージ向上を目指したWeb動画を制作に取り組んだという。

数あるメディアの中から「Web動画」を選んだ理由について深田氏は、低予算で制作できる上に、動画を見た人によるSNSなどでの拡散が期待できることを挙げた。これにより、ドコモの「若年層からのイメージが弱い」という課題をクリアできるほか、「3秒クッキングシリーズ」でドコモの強みである「ネットワーク(速さ)」を訴求でき、さらに動画を見てもらうことでドコモを好きになってもらえる機会を得ることができると語った。

Web動画を制作するときに心がけるべきこと

また、Web動画を制作する際に心がけるべきこととして、「わかりやすいか?」、「心を揺さぶる何かがあるか?」、「つっこみどころがあるか?」、「拡散するときにひと言で説明できるか?」、「自分自身が拡散したいか?」の5つを挙げた。特に、3つめの「つっこみどころ」に関して、違和感や間違い、勘違い、不可能、不可思議など、見た人が"つっこみ"を入れられるように「隙を作ることが大切」だという。ちなみに「3秒クッキング 爆速エビフライ」篇の場合、「そんな火力でエビフライは揚がらない」などの指摘があったほか、動画の最後にシャレのつもりで入れた「明日は、3秒餃子」という予告に対してはSNS上でその実現を願うコメントが拡散し、当初の予定に反し対応せざるを得ない状況となり、その結果「3秒クッキング爆速餃子」篇を続編という形で制作したというエピソードを明かした。

続編の「3秒クッキング爆速餃子」篇の再生回数も622万回以上

続編の「爆速餃子」では、既に再生回数が1,000万回を超えていた「爆速エビフライ」を超えるために、屋内から屋外へとスケールアップし、「火力が弱くてフライが揚がらない」という声に応えて火力を10倍にし、"国内最速"を表現するために機械を改良しさらに速くなったことをアピールしたほか、「4G」を「4つの餃子」で表現するなど遊び心を取り入れた点などを挙げた。「爆速餃子」の最後に次回予告として入っている「ナポリタン」に関しては「現状、(反響の度合いを考慮した結果)制作する予定はない」とのことだ。

また、Web動画を話題化させるために取り組むべきポイントとして挙げたのが、「公式チャンネルの登録者数を増やす」こと(チャンネル登録されると、新しい動画をアップしたときに登録者に通知が届く)。これには、登録したいと思わせるコンテンツを提供し続ける必要がある。ちなみに「ドコモ公式チャンネル」の場合、「爆速エビフライ」公開前は2万4,000人だったものが公開後は4万9,000人に増加し、「爆速餃子」公開後に5万7,000人となり、現在は7万2,000人を超えている。次に「ネットメディアに取り上げられる工夫」をすること。これはインパクトのあるタイトルやサムネイル、意外性、時節が重要だという。また、ノンバーバル動画や字幕機能を使って「海外からの"逆輸入"を狙う」ことも大切だと述べた。

Web動画を話題にするために取り組むべきこと

なお、深田氏は今回の「爆速エビフライ」の成功について、「これまでドコモができなかったことに取り組んだ結果」だとし、これからも若年層をターゲットにするとともに「印象に残るためにはどうしたらいいか」ということを常に意識した制作を心がけていくという。同氏はWebだからこそできる取り組みと話す一方で、この成功体験が同社のテレビCMにも波及している部分はあると付け加えた。そして最後に「これからも面白いことや新しいことに挑戦していきたい」と今後の抱負を述べ、講義を締めくくった。

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