Looopのルーツ

Looop 代表取締役社長 中村創一郎氏

前ページではLooopでんきについて紹介したが、そもそもLooopとは自然エネルギーを発電のスタンダードにするべく、さまざまな取り組みをしている会社だ。会社名のLooopは「循環(ループ)」型社会を目指していることを示し、3つ並んだ「o」は太陽光と風力、水力をメインに事業を行う姿勢を表しているという。

創業は5年前の2011年。東日本大震災の被災地に太陽光パネルを設置するボランティア活動から生まれた。

Looopの代表取締役社長 中村創一郎氏は、東日本大震災が起こったとき、中国・上海に住んでいたが、「被災地では電力が分断されていると知り、日本のために何かできないかと思いました」と当時を振り返る。「ソーラーパネルを製造している友人に相談したら、パネルさえ持って行ければ、電気を使えるようになると教えてもらいました」(中村氏)。

こうして被災地入りしてソーラーパネルを設置し始めた。ボランティアにとどまらず、Looop(設立当時はソーラーバンク)という会社を立ち上げたのは2011年4月4日と、震災があってから1カ月も経っていない。かなりスピーディーな印象だ。

被災地へソーラーパネルを設置するボランティアがLooopの始まり

甚大な被害をもたらした津波のような自然エネルギーを有効利用できないか? と考えたのが、ボランティアから起業しようと思ったキッカケ。そういう類の技術はこれからの日本に必要なものだと確信したという。以来、Looopは「自然エネルギーをあなたのそばに」という理念のもと、成長を続けている。

中村氏は「自然エネルギーは不安定だし、これまでも限定的にしか使われていない。ただ、僕自身はその不安定なエネルギーをテクノロジーの力でコントロールすれば活用できると思っています。目指すのは自然とテクノロジーの融合です」と話す。