【レビュー】

文章を書くならやっぱりコレでしょ - 最新「ATOK 2016」を使ってみた

1 ますます便利になった日本語入力システム

 
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Windows環境の日本語入力システム(IME:Input Method Editor)として、近年は「Google日本語入力」やWindows標準の「Microsoft IME」など無償のものが優勢だが、日ごろから多くの文章を作成するユーザーにとって、ジャストシステム「ATOK」シリーズの存在は大きい。最新版「ATOK 2016 for Windows」がリリースされたので、新機能や使い勝手を検証する。

文字の入力しやすさを多彩な角度から実現

前バージョンの「ATOK 2015」は、辞書の強化や推測フォロー変換を始めとする変換効率の向上が主な変更点だった。今年のATOK 2016は、「以心伝心の入力」「"知りたい"に応える」「健康をサポート」という3つのキーワードを元に、既存機能の改善を図りつつ新機能を搭載した。

新機能を試す前にエディション構成から確認しよう。例年どおり「ATOK 2016 for Windows ベーシック」と「ATOK 2016 for Windows プレミアム」という2種類の構成だ。変換エンジンや推測変換エンジンといったIMEが持つ機能に加え、「乗換案内 駅名変換辞書 for ATOK」、「Office連携ツール」といった辞書/ツール群、そして「ATOK Sync アドバンス」「ATOKキーワードExpress」は両エディションが備える。

プレミアム版は、電子辞典に「精選版日本国語大辞典 for ATOK」「ジーニアス英和辞典 第5版 for ATOK/ジーニアス和英辞典 第3版 for ATOK」、ツールとして「ATOKダイレクト for Excel」、クラウドサービスとして「8カ国語クラウド翻訳変換 for ATOK」が加わるという内容だ。ここでは、上位エディション「ATOK 2016 for Windows プレミアム(以下、ATOK 2016)」を使って、新機能を中心に試していく。

「ATOK 2016 for Windows ベーシック」(左)と「ATOK 2016 for Windows プレミアム」(右)

なお、ATOKシリーズは2011年11月から、月額制の「ATOK Passport」を始めている。常に最新のATOKを使用できるので、ATOK愛用者には嬉しいサービスだが、ATOK本体と連携する電子辞典は提供されない。必要な辞書を単体購入するか、「オールインワン辞書・辞典パック2016 for ATOK」を購入する必要がある。電子辞典/辞書との連動性が高いことも、ATOKシリーズの人気を支える大きな要素だけに、ユーザー自身が必要な電子辞典を吟味し、パッケージ版を選ぶかパスポート版に移行するか迷うところ。これも毎年恒例の悩みだ。

話を戻して、上述した3つのコンセプト、1つめの「以心伝心の入力」に含まれるのが、「ATOKインサイト」と「ATOKタイプコレクト」という2つの機能だ。

ATOKインサイト

ATOKインサイトは、使用場面に応じて変換候補を適切なものに置き換えるというもの。例えば、一部のテキストエディターは、編集中の文章やソースコード内の単語を元に、入力した文字から始まる単語を候補として示し、補完する機能を備えている。それを、ATOK 2016上で行う機能といえば分かりやすいだろう。

Microsoft EdgeでWikipediaの「第一性質」を開いた状態で、「だ」を入力すると同じ単語が候補に現れた。右側にはATOKインサイトによる一時文書学習候補を示すアイコンが加わる

「第一哲学」のページで同じ操作を行ったが、「ダウンロード」という単語を検出したようである

動作にはいくつかの条件がある。参照する文章(つまりはWebブラウザーやアプリケーション)から、単語やフレーズを一時的に抽出し、文章を参照している間のみATOK 2016の推測変換や変換候補として使う。このため、対応するアプリケーションは多くない。

別ウィンドウのアプリケーション(ATOKインサイトが参照する文章)として対応しているのは、「Internet Explorer 9/11」、「Microsoft Edge」、「Google Chrome 43以上(「chrome.exe --force-renderer-accessibility」で起動)」、「Mozilla Firefox 39以上」といったWebブラウザーと、「Word 2010/2013/2016」、「Excel 2010/2013/2016」、そして「一太郎2016以降」のみだ。

Firefox 44.0.2でマイナビニュースを表示しつつ、秀丸エディタでATOKインサイトを確認してみた。「せ」と入力しただけで、推測変換の候補に「精選版日本国語大辞典」が示されている

同一アプリケーション内の文章を参照しながら、ATOKインサイトで入力する場合は、前述したアプリケーションに加えて、「Outlook 2010/2013/2016」、「Shuriken 2016以降(の返信ウィンドウ内)」で、一時的な文書学習候補が現れる。示された候補を確定すると確定履歴として残り、参照ウィンドウが閉じた場合は、未使用の候補はすべて破棄される。

気になるのは、複数のウィンドウを開いた状態でどのように動作するかだ。ジャストシステムは、一太郎2016とATOK 2016の発表会で「CPUが8コアの場合は3つのウィンドウまで参照し、4コアの場合は2つ、2コアなら1つと自動的に切り替わる」と説明している。

ATOKインサイトを無効にするには、プロパティダイアログの「変換補助」に並ぶ「一時文書学習候補を表示する」のチェックを外せばよい

本稿は4コア8スレッドCPUのPC上で執筆し、WebブラウザーやPDFビューアー、複数のテキストエディターと多数のアプリケーションを起動しているが、ATOKインサイトが機能するしないにブレがあるように感じた。例えば、参照先となるウィンドウを自動判別するのではなく、ユーザー側で指定可能にするといった仕組みを用意すれば、より良い機能になるのではないだろうか。

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インデックス

目次
(1) ますます便利になった日本語入力システム
(2) 「arigatou」でも「stohsypi」でも「ありがとう」
(3) ATOK用の電子辞典/辞書を単独で使えるようになった
(4) ATOKが健康をサポート?
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