【レビュー】

推測変換と連想変換を大幅に強化した日本語IME「ATOK 2015」 - 約10万語の専門用語辞書も標準搭載

1 日ごろから文章を書く人なら一度は使い込んでみたい

 
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Windowsは日本語入力システムとしてMicrosoft IME(Input Method Editor)を用意しているが、より正確な日本語変換を求めるユーザーや、文章作成を行うユーザーにとって、ジャストシステムの日本語入力システム「ATOK」は長く親しまれてきた。本来なら複雑な日本語を紡ぎ出す日本語IMEは、より多くの選択肢があってしかるべきである。だが、Microsoft IMEを除くと、今ではATOKを筆頭に数えるほどしか存在しない。

このままでは日本語入力システムの選択肢がなくなるのでは、という不安もよぎるが、数少ないプロプライエタリ国産IMEとして、ジャストシステムは2015年もATOK最新版をリリースした。その「ATOK 2015 for Window」は、思い浮かんだ言葉を的確に変換するため、辞書の強化や推測フォロー変換を始めとする変換効率の向上が主な変更点となる。今回は上位エディションとなる「ATOK 2015 for Windows プレミアム」を試用し、その改良点を中心に使用感をご報告したい。

素早いキー入力ユーザーでも恩恵がある「推測フォロー変換」

まずはエディション構成から紹介しよう。今回は「ATOK 2015 for Windows ベーシック」「ATOK 2015 for Windows プレミアム」「ATOK 2015 for Windows オールインワンパック」の3種類だが、基本的な機能は共通で、ベーシック版とプレミアム版は電子辞典やツール類に差がある。さらにオールインワンパックは、プレミアム版に「角川類語新辞典 for ATOK」「ロングマン英英/英和辞典 for ATOK」「 広辞苑 第六版 for ATOK」がセットになったパッケージで、オンラインストアのJust MyShopでのみ購入可能だ。また、既存ユーザーを対象としたアップグレード版のAAA優待版や、教育関係者向けのアカデミック版も、従来どおり用意している。

「ATOK 2015 for Windows ベーシック」(左)と「ATOK 2015 for Windows プレミアム」(右)

ATOK 2015における最大のポイントは「推測フォロー変換」だ。推測変換の機能そのものは1999年リリースのATOK13までさかのぼり、その後も機能強化を図ってきた。特にATOK 2012では、AS(Advanced Suggest)エンジンで推測変換を強化したことは記憶に新しい。そして最新のATOK 2015で刷新した推測フォロー変換は、入力・変換のパフォーマンス向上につながる。

例えば、ATOK 2014以前の推測変換は連文節変換時にマッチする候補がないと、推測候補ウィンドウが消えてしまう。だが、推測フォロー変換はさらにマッチする単語を候補として提示するため、長文作成時も推測候補を利用できるようになった。

例えば「じゅうじつしたえ」まで入力すると、筆者の学習環境では「充実した映画」が推測変換候補として現れる

そのまま「じゅうじつしたえんた」まで入力を続けると、「充実したエンタテインメント」が推測候補に現れる

入力を続けずに「Tab」キーを押せば推測候補ウィンドウが拡大し、数秒後には選択した候補にマッチする情報ウィンドウが現れる

変換確定後に入力を行った際も推測変換候補は示される

「内蔵」「内臓」のように前の語句を判断して提示する候補も切り替わる。このあたりは文脈変換機能と同じロジックが用いられているようだ

評価したいのは推測候補ウィンドウの表示タイミングだ。従来はウィンドウを表示するまで1秒程度の遅延を感じ、前述した機能を活用するには単文節感覚で変換しなければならない。そのため筆者は推測変換機能を無効にしていた。対してATOK 2015の推測変換候補は、あくまでも体感ベースだが、処理の高速化を行ったように思える。毎日のように文章を書く筆者から見て、ATOK 2014以前に感じていた遅延感はなくなった。これならキー入力が速いユーザーでも、推測変換の恩恵を受けられるだろう。

推測変換に関する詳細設定ダイアログ。ウィンドウを表示するタイミングや速度を調整できる

また、推測変換候補にも用いられている、文脈変換機能にも手が加わったようだ。前の語句を解析しながら適切な変換候補を提示する本機能は、正式名称と略称の関係に対応。一度、正式名称を入力した後でも同音異義語と区別して、略称も適切に表示する。

正式名称と略称を適切に判断し、誤った同音異義語を提示しないように改良された

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目次
(1) 日ごろから文章を書く人なら一度は使い込んでみたい
(2) 表現の幅が広がる「類語ファインダー」、語彙力もアップ
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