腕時計メーカーが作るリストデバイスは、時計表示にもこだわる

腕時計メーカーらしい思想が表れているのが「タイムピースモード」。WSD-F10は、カシオのアウトドアウオッチ「PRO TREK」でも採用されている2層液晶を備える。1層はカラー液晶、もう1層はモノクロ液晶だ。カラー液晶をシャットダウンして、モノクロ液晶のみで時計を表示することができるのだ。これを時計だけのモード「タイムピースモード」と呼び、通常使用時に比べ、大きく使用時間(バッテリー駆動時間)を伸ばすことができる。

ちなみに通常使用時は、1回の充電で約1日の使用が可能だが、タイムピースモードのみの場合、約1カ月使用できるとのこと。ただし、通常使用時で1日というのはCES発表バージョンの仕様で、現在もアプリケーションを作り込むなど、改善研究は続けているそうだ。

視認性は非常に高い

時計表示時のダイヤルデザインは好みやファッションに合わせて変更できる

モノクロ液晶のみを使用するタイムピースモードの表示例

モノクロ液晶のみのタイムピースモードも、十分に視認性は高い

【左】タイムピースモードとウオッチフェイスの解説。【右】充電ケーブルを接続したところ。ケーブル側の端子に磁石が仕込まれており、ワンタッチで吸い付く。充電しながらでも使用できるが、磁石を使う関係で方位センサーが機能しなくなる

WSD-F10の主なスペック

搭載OSはAndroid Wear。これは「中長期的視点においてAndroid Wearが伸びていくと予想されている」(坂田氏)ことによる。連携する端末はAndroid 4.3以上、iOS 8.2に対応予定。iOSのみ一部機能が制限される。なお、WSD-F10にはマイクも搭載されており、音声入力などAndroidの豊富な標準機能も利用可能。余談だが、マイクを搭載して5気圧防水を持つ機器は世界初(坂田氏談)とのこと。

ウェアラブルデバイスの市場規模は拡大傾向にあり、OSはAndroid Wearの比率が伸びると予測される

スマートウオッチ初の5気圧防水+2層液晶+MIL-STD規格をクリア

ちなみに、WSD-F10は基本的にスタンドアローン(スマホ連携なし)でも使用できる製品として開発している。あくまで「スマホ連携することで世界観が大きく広がる」(坂田氏)という位置付けらしい。

ところで、「カシオ」「時計」「アウトドア」と来れば、誰もが想像するであろう同社のアウトドア腕時計ブランド「PRO TREK」との競合について聞いてみたところ、以下のような回答があった。

「WSD-F10は時計事業部とはまったく別の新規事業部が開発を担当しており、カシオでは腕時計とは別の製品と考えています。また、PRO TREKは計測機能に特化しており、本格的な登山を行う方にお買い求めいただくことが多いのですが、WSD-F10はアウトドア初心者の方やライトユーザーを想定しています」(カシオ広報)

WSD-F10については、実機(製品版)の紹介や詳細なレビューなども予定しているので、今後の記事にもご期待いただきたい。

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