【レポート】

J:COMが電力小売サービスへ参入 - 電気料金が年間約6,800円安く

 

ジュピターテレコム(J:COM)は低圧電力小売りサービスに4月から参入する。1月6日には「J:COM電力 家庭用コース」の先行申し込み受付を開始し、報道関係者向けの説明会を開催した。

1月6日に開催された記者説明会には、ジュピターテレコム 執行役員 ケーブルTV事業部門 副部門長の堀田和志氏、同社 ケーブルTV事業部門 ケーブルTV事業統括本部長の高橋邦昌氏、同社 ケーブルTV事業部門 ケーブルTV事業統括本部 副本部長 兼 電力事業推進部長の小森智幸氏が登壇した

J:COMサービス利用者は電気料金が安くなる

J:COMが新たにサービスを開始するのは「J:COM電力 家庭用コース」。J:COMサービスエリア内の戸建て、集合住宅各戸を対象としており、同社が提供するケーブル多チャンネル放送、高速インターネット、固定電話いずれかの長期契約利用者は、電気料金の従量部分(※)が地域電力会社と比べて最大10%割引されるというものだ。
※電気料金は一般的に、「基本料金(最低料金)+従量料金+燃費費調整額+再生可能エネルギー発電促進賦課金」の合計。このうち、使った分だけ請求される従量料金を割り引く。

「J:COM電力 家庭用コース」のサービス概要

たとえば、東京電力管内で「従量電灯B」に相当する「J:COM電力 家庭用コース 従量B」では、10~60Aまで契約アンペアを選べて月額基本料金は東京電力と共通。従量分については、第1料金(120kWhまで)、第2料金(120kWh~300kWhまで)、第3料金(300kWh以上)の段階別に、それぞれ東京電力の料金から0.5%、1%、10%割り引かれる仕組みだ。

そのほか、東京電力で「従量電灯C」に相当する「J:COM電力 家庭用コース 従量C」の場合も、月額基本料金は東京電力と同じ1kVAあたり280.8円で、「J:COM電力 家庭用コース 従量B」と同様に従量分が3段階で割引となる。戸建て(関東)の平均的な月間電気使用量485kWh(年間では5,820kWh)であれば、年間の電気代は約6,804円安くなる計算だ。

「J:COM電力 家庭用コース」の料金表(関東圏)

「J:COM電力 家庭用コース」料金計算の仕組み。基本料金や燃料費調整額、再生エネルギー賦課金は地域電力会社と共通。従量料金部分を使用量に応じて3段階で割り引く

月額電気料金と電力使用量目安で見るエリアごとの年間割引額例。電力使用量が多ければ多いほど割引額アップ

顧客満足度の向上がねらい

料金の割引はあるものの、「電気料金の最安値を目指すわけではない」と、あくまで既存サービスを含めた顧客満足度の向上を狙っての新規参入だと表明した堀田氏

記者説明会に登壇した堀田氏は「あくまでお客様の満足度向上が一番の目的」と、新規事業参入の経緯について説明。さらに、「既存のサービスに加えて電力までワンストップでサービスを提供することで、ユーザーにとっての利便性を向上させたい。カスタマーサービスなど地域密着型のサポート体制を築いてきた強みを生かせると考えている。電力で勝負するわけではない」と述べ、収益性を重視した新規参入ではないことを強調した。

J:COMの電力事業である「J:COM電力」は、50kW以上の高圧小口需要家を対象とした2005年5月の規制緩和を受け、2012年12月に「J:COM電力 マンション一括コース」を開始。大規模マンションを対象としたもので、契約には全戸の同意や、受変電設備・メーターなど機器の交換が必要であることから限定的なサービスとして提供していたが、2016年4月からの電力小売りの全面解禁によって、より多くの人に対して提供可能になる。

J:COMによると、2015年12月末時点での「J:COM電力 マンション一括コース」の契約実績は約7万4,000世帯。今回の新サービスについては「2~3年以内にサービス加入者の20%以上、すなわち100万世帯以上の加入を目指したい」(堀田氏)と目標を掲げた。

「J:COM電力 マンション一括コース」(左)と「J:COM電力 家庭用コース」(右)の提供方法。J:COM電力 家庭用コースでは、機器の交換や工事の必要がなく、申し込むだけで利用可能に

ファミリー層にうれしいプラン

サービス概要についてのプレゼンテーションを行った高橋氏によると、「すでに実施しているサービスで考えると、電力サービスは最も解約抑制効果が高い」とのこと。現時点では既存のポイントサービスと提携する予定はなく、「防災番組の配信など、あくまでCATV事業者としての独自サービスを提供することを検討している」と、他事業者との差別化戦略を語った。

サービス概要を説明した高橋氏。「J:COMのメインユーザーであるファミリー層は電気使用量も多くなる傾向にある。そういう層にとって、お得度の高い料金設定にした」と明かした

なお、これまで同様、電力の調達と受給管理は住友商事グループの電力事業者・サミットエナジーが担当する。発電所から各住戸までの送電・配電網などは地域電力会社の設備を使用。機器の交換や新しい機器の設置、および工事は不要で、手続きも専用ダイヤルもしくはWebサイトから申し込むだけ。1月14日からはジェイコムショップ店頭や地域の営業スタッフを通じても申し込みが可能となる。

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