楽曲を奏でたサウンドクリエイターを公開

設定とは別に、音楽を実際に演奏している「中の人」も発表されました。「Squid Squad」「シオカラーズ」、8月のアップデートで追加された「ABXY」と「Hightide Era」の楽曲を演奏した方々の名前が明かされています。

普段同作をプレイしている方が音楽の作り手を知る機会となった一方で、普段ゲームをプレイしている人とは違った層の方にも、このゲームが知られるきっかけになったのではないでしょうか。「普段アクションやシューティングはやらないけれど、Splatoonは遊べる」という声が多く聞かれるこのタイトルならではの相互効果で、異なる文化が交わるきっかけにもなりそうです。


「シオカラ節」のキャッチーさの秘密

「Splatoon」のBGMの中でも、曲名をよく知られていて、人気がある曲がこの「シオカラ節」でしょう。


こちらはバトル中のBGMではなく、また他のBGMと比べて少し雰囲気が違います。なぜ、「シオカラ節」はこんなに人気なのでしょうか。

この曲のメロディに使われている音階は、ほぼ「ミ♭ソ♭ラ♭シ♭レ♭」 の5音のみ。ピアノの黒鍵で演奏できます。 これは「ペンタトニック・スケール」と言い、民謡やロックにもよく使われている音階。和風、民族風に聴こえ、耳なじみがあるので覚えやすいんです。「シオカラ節」はこの曲を歌うアイドル「シオカラーズ」の出身地方の民謡をアレンジした、という設定なので、この音階を使うことに納得感もあります。こういった和風な趣のあるメロディは、「VOCALOID」や「東方Project」といった二次創作主体のジャンルでも人気がありますね。

この曲はメロディの変化がなめらかで歌いやすいというのも特徴です。また、少々マニアックですが、サビのふた回し目、歌詞は空耳で「ラ ミレ ジュテ」と歌われているところ(上の映像の0:57~)は、メロディは同じものをくり返しながらも「Fm7| EM7 | E♭m| Cm7-5 」という、今までついていたものとは違うひねったハーモニーがアクセントになり 、グッとくるポイントになっています。

(c)2015 Nintendo

おわりに

今回の執筆にあたって、改めてSplatoonの楽曲を分析してみましたが、音楽だけでもいろいろな楽しみ方ができ、同作の世界をうかがい知ることができるなと思いました。

「名作ゲームに名曲あり」。Splatoonの音楽もまた、そう感じさせてくれます。