内定が出たらうれしいはず。しかし筆者もネット上で

「内定をもらったけれど、どうやって辞退すればいいかわからない。ていうか辞退しても大丈夫なの?」

と、度々質問されるようになりました。
筆者自身も数社の辞退経験がありますが、とても心中穏やかではありませんでした。ですからドキドキは理解できます。

拘束する権利は企業側にはない(一定の時期までは)

就活生の方々に安心してほしいのは、そもそも就活生には内定を辞退する「権利」があることです。憲法でも「職業選択の自由」が保障されていたりする通り、行使してよい権利があるのです。
法律上、原則として「入社2週間前」までは入社を撤回できるそうです。

コーヒー・カレーをぶっかける企業がいたら一瞬で大炎上する

もう1点、就活生をビビらせる噂に「辞退したらコーヒーをぶっかけられる」「カレーを注文したと思ったら頭に叩きつけられた」というものがありますが(もはや都市伝説ですが)、仮に事実だったとしても、遠い昔の話です。
(それくらい昔の企業という存在は恐ろしいものだったのかもしれません)

いま、そんなことをやろうもんならSNSに一瞬でアップされて大炎上します。
企業側はSNSの評判にデリケートなので、就活生に対して丁寧に接する企業も増えてきました。
いま上記のような企業に遭遇したら、アナタは恐らく一躍、SNS上で「時の人」になれることでしょう。
とはいえ、そんなことをするよりも、すぐに就職課に相談してください。ひどい場合は警察でも大丈夫です(たぶん傷害か器物損壊になります)。

しかし、権利を主張し過ぎるのは「迷惑行為」と変わらない

以上の理由から、内定辞退をビビる必要はありません。堂々としてください。

しかし、考えなければいけないことがあります。

それは、企業側はアナタを採用するために「相応のコストを支払っている」ことです。お金も労力も時間も投下しています。
内定辞退をされると無駄になるどころか、新たに採用予定人数を埋めなければなりませんから、さらにコストがかかります。

つまり、「権利があるから」といって企業側に意図して不利益を被らせることは「迷惑行為」と変わらないのです。

礼儀を持って就活をしよう

大人として、礼儀を重んじて対応してください。
ポイントは
・内定を出してくれた「好意」に感謝すること
・内定辞退による「損失」に謝罪すること
・企業側のダメージを最小にすること

まずは「感謝」です。 アナタがどんなに優秀な人物で引っ張りダコでも、調子こいた時点で恥ずかし野郎です。内定は、企業側が一定のリスクを背負って自社の力になってほしいと思ってくれた証です。
これに感謝できない人は人間性がそこまでの人間です。

そして「謝罪」。
就活生側にできるのは謝ることしかありません。企業側は辞退によって相応のダメージを喰らいますが、アナタには何もありません。
誠心誠意、謝ってください。ここでも人間性が試されます。

最後の「ダメージを最小にする」とは「できるだけ早く辞退してあげること」です。
早く辞退してあげれば企業側はダメージを回収する時間がありますが、仮に入社直前だったりしたら補欠を探すこともできず、予定人数を採用できなかった人事は目標の未達を突き付けられることになります。

具体的な辞退方法でも礼節を

これもよく質問されますが、以下の選択肢から、アナタなら何を選びますか。

「メール」
「電話」
「直接、会社まで行く」

ここで「メール」を選んだ人は、いろいろと考え直してください。相手も人間です。礼儀を重んじる人は最低でも電話をします。
自分の行為は相手にダメージを負わせる行為だと、認識してください。

「辞退理由」を聞かれたとき、どう対処するか

しかし、ここで一つの課題がでてきます。
それは「理由を聞かれたときに何と答えるか」です。
ほぼ100%、例外なく理由を聞かれるはずです。
正直に言えば「答える義務はありません」が、何かしら答えるのが大人です。ここからはアナタ自身の方針にもよります。

・正直に「他社に行く」と言う
・「家庭的な問題」などと、踏み込みにくいことを言う

などが、例として挙げられます。
何が正解というのもないですが、上記した「感謝」と「謝罪」だけは忘れないでください。

以上です。
アナタには選択する権利がありますが、迷惑かけ放題かといえば、決してそうではないと理解してもらえれば嬉しいです。

自分の人生を大切にするように、他人(企業)を大切にしてください。