今年2月に発表されて以来、注目を集めているキヤノンの「EOS 8000D」。コンパクトな外観からは想像できないハイスペックに加え、運動会などの行事、行楽など写真シーズンを迎えることも手伝って、かなり好調に売れているようだ。そこで今回は、そのEOS 8000Dの製品版をレビュー。以前に掲載したEOS Kiss X8iとの比較記事では掲載できなかった原寸大の作例も掲載、多くの人が気になるであろうEOS 70Dとも比較する。

「EOS 8000D」。編集時点のキヤノンオンラインショップ価格は、ボディのみが97,800円、EF-S18-135 IS STM レンズキット、ダブルズームキットとも134,800円(すべて税別)

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本気(マジ)で「プレミアム」なエントリー機

先の記事では、EOS 8000Dとほぼ同スペックであるEOS Kiss X8iとの相違点をご紹介した。しかし現実的には、この2機種でどちらを買うか悩む人は実は少ない、と筆者は見ている。というのも、EOS Kissシリーズの高性能を十分に理解しつつも「そのブランド名に気恥ずかしさを感じるユーザー」(主にオジサン)がいる一方で、小さなお子様を持つママの方々に、EOS Kissは絶大な支持と信頼をもって迎えられているからだ。

特に「EOS Kiss X6i」からスタートした上位グレード「i」シリーズへの信頼は厚く、まさに「iあるKissこそ最高」と考えられている……って、「ここ笑うところよ、セニョリータ」と、中年以上にしかわからないケーシー高峰のネタはさておき、EOS 8000Dの潜在ユーザーが気になるのはむしろ、上位機種とされながら実売価格がEOS 8000Dとほとんど変わらない(2015年5月執筆時)「EOS 70D」との違いだろう。

EOS 70Dは、2013年8月に登場したミドルクラスのデジタル一眼レフカメラ。新機構「デュアルピクセルCMOS AF」やタッチ式バリアングルモニターなどを搭載した人気機種だ。しかし、その約2年後に出たEOS 8000Dはプレミアムエントリーを標榜するだけあって、EOS 70Dとのグレード差がどれほどかと問われて、瞬時に答えるのは難しい。

それどころか、画素数はEOS 70Dの2,020万画素に対して、EOS 8000Dは2,420万画素。映像エンジンDIGICの世代も、EOS 70Dが「DIGIC 5+」なのに対して、EOS 8000Dは最新の「DIGIC 6」となっている。AFセンサーは双方共通で、当然測距点数も同じ19点となっている。

EOS 8000Dのボディサイズは約W131.9×H100.9×D77.8mm

かなりサイズが違う印象がある8000Dと70Dだが、比べるとそれほどでもない。幅で7.1mm、高さで3.4mm、70D(左)が大きい

3.0型・104万ドットのタッチ式バリアングル液晶モニターは共通装備

右が8000D。グリップの形状と軍艦部サブ液晶の違いが顕著だ

右が8000D。ダイレクト操作ができるボタンの数とサブ液晶の表示情報量の違いがわかる

ミラーボックス。センサーはAPS-Cフォーマットだが、70Dのセンサーよりごくわずかに小さい

記録メディアは、SD/SDHC/SDXCメモリーカード(UHS-I対応)。これも70Dと同様

8000Dと70Dでは画素数に400万の差がある。これを比率で見ると、このような違いになる