今年2月に発表されて以来、注目を集めているキヤノンの「EOS 8000D」。コンパクトな外観からは想像できないハイスペックに加え、運動会などの行事、行楽など写真シーズンを迎えることも手伝って、かなり好調に売れているようだ。そこで今回は、そのEOS 8000Dの製品版をレビュー。以前に掲載したEOS Kiss X8iとの比較記事では掲載できなかった原寸大の作例も掲載、多くの人が気になるであろうEOS 70Dとも比較する。
■関連記事 ここが違う! 「EOS Kiss X8i」と「EOS 8000D」 - 40点の写真で徹底比較 |
---|
本気(マジ)で「プレミアム」なエントリー機
先の記事では、EOS 8000Dとほぼ同スペックであるEOS Kiss X8iとの相違点をご紹介した。しかし現実的には、この2機種でどちらを買うか悩む人は実は少ない、と筆者は見ている。というのも、EOS Kissシリーズの高性能を十分に理解しつつも「そのブランド名に気恥ずかしさを感じるユーザー」(主にオジサン)がいる一方で、小さなお子様を持つママの方々に、EOS Kissは絶大な支持と信頼をもって迎えられているからだ。
特に「EOS Kiss X6i」からスタートした上位グレード「i」シリーズへの信頼は厚く、まさに「iあるKissこそ最高」と考えられている……って、「ここ笑うところよ、セニョリータ」と、中年以上にしかわからないケーシー高峰のネタはさておき、EOS 8000Dの潜在ユーザーが気になるのはむしろ、上位機種とされながら実売価格がEOS 8000Dとほとんど変わらない(2015年5月執筆時)「EOS 70D」との違いだろう。
EOS 70Dは、2013年8月に登場したミドルクラスのデジタル一眼レフカメラ。新機構「デュアルピクセルCMOS AF」やタッチ式バリアングルモニターなどを搭載した人気機種だ。しかし、その約2年後に出たEOS 8000Dはプレミアムエントリーを標榜するだけあって、EOS 70Dとのグレード差がどれほどかと問われて、瞬時に答えるのは難しい。
それどころか、画素数はEOS 70Dの2,020万画素に対して、EOS 8000Dは2,420万画素。映像エンジンDIGICの世代も、EOS 70Dが「DIGIC 5+」なのに対して、EOS 8000Dは最新の「DIGIC 6」となっている。AFセンサーは双方共通で、当然測距点数も同じ19点となっている。