【レポート】

映像で見るAcid Black Cherryの世界が面白い - プロクリエイターが解説

松田義正

Janne Da ArcのヴォーカリストyasuさんのソロプロジェクトAcid Black Cherry(ABC)。4枚目のアルバム『L-エル-』が25日に発売されました。ABCファンの友人から「Acid Black CherryのMVは、こだわりがスゴイ!」と聞いていたので、この機会に観てみることに。今回は、アルバム収録楽曲のなかから特に良いMVだと思った2013年11月20日発売の『黒猫~Adult Black Cat~』と2014年10月22日発売の『INCUBUS』について紹介していきたいと思います。

うーん、どちらも豪華!

これが最初の感想です。

黒猫~Adult Black Cat~

『黒猫~Adult Black Cat~』は、まるでミュージカル『シカゴ』のような世界観。どこまでが実写で、どこがCGなのかなぁと気になったので、CDについてくるメイキング映像を見てみると、しっかりとしたセットを組んでいるではありませんか。自分も映像制作を生業としている端くれ。映像クリエイターの目線で見ると美術のクオリティの高さには目を見張るものがあります。MVをすでに観ているファンの方はお分かりだと思いますが、バーのセットに、ネオンが彩る演奏シーン。ゴージャスですね。予算が苦しい昨今のMV業界では、なかなかできないシロモノではないでしょうか。

また、バンドやダンサーたちの衣装の作り込みも素晴らしい。シルエットをうまく使った演出など、アートディレクションは見物ですね。

INCUBUS

そしてもう1曲『INCUBUS』。ボーカルのyasuさんはDVD内で「この曲をシングルカットとして選定するのは、ずいぶん攻めた選択だ」というようなニュアンスの事をおっしゃっていましたが、MVもすごく攻めていましたね。音楽ももちろんカッコイイのですが、ここでは専門分野外なので、映像中心に語ります。

この楽曲のMVは、ハリウッド映画を思わせるドラマシーンと、Acid Black Cherryの演奏シーン合わせて、2日かけて撮影されたようです。ドラマシーンはなんとオール外国人キャスト。20世紀初頭にタイムスリップしたような世界感には本当にビックリしました。そして「こりゃ、お金がかかっている! 」とまたしてもいやらしい事を思ってしまうのは、同じ映像制作者としての悲しい性ですね……。

メイキング映像のなかでyasuさんがセットの前で語っているシーンがあるのですが、思わずセットに目がいってしまうんです。本当に細部まで作り込んでいるんだなぁと。このレベルになるとCMや映画級の力の入れようです。

このMVの演出されたのは園田俊郎監督。GLAYのシングル『SAY YOUR DREAM』ではアジア最大の短編映画祭『ショートショートフィルムフェスティバル&アジア2009』のミュージックショート部門において最優秀賞も受賞されており、ドラマ演出に説得力があるのも頷けますね。そんな豪華なMVが収録されているニューアルバム『L-エル-』ですが、他にもシングルカットされた『Greed Greed Greed』や『君がいない、あの日から…』も収録されています。

ライブ感を大切にしつつ、yasuさん本人がオタクに扮するなど、コミカル演出を加えた『Greed Greed Greed』。3月11日に発売した『君がいない、あの日から…』は白と黒の世界感でシンプルにメッセージを綴ったMV。この2本もまたトーンが違いつつも、細部までこだわって作っているので見応えありです。

以上、映像で見るAcid Black Cherryの世界でした。是非、皆さんもこの機会に大好きなアーティストのMVをじっくり見てみてはいかがでしょうか。

松田義正(映像プロデューサー/ディレクター)
1981年5月20日生まれ。物心ついた時から映画好きで、小学生の頃に『将来は映画の道へ進む!』と決意。20代前半でB級ホラー映画を1本監督したのち、ジャンルを広げ、ディレクターとして様々な映像制作に関わる。現在は某映像制作会社のプロデューサー/ディレクターとして、CMなどの企業プロモーション映像からエンタメ系の映像まで、日々映像制作漬けの人生を送っている。

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