12月20日~21日の期間、東京秋葉原の「ベルサール秋葉原」で「ポータブルオーディオフェスティバル2014」(ポタフェス2014)が開催された。ポタフェスは、イヤホンやヘッドホン、ポータブルプレーヤーなど、国内外のポータブルオーディオブランドが一堂に会するイベント。当記事では新製品を中心に、注目ブースの展示内容を紹介していきたい。

カジュアルニーズ向けモデルとプロ向けモデルハーマンインターナショナル

「yurbuds」ブランドのスポーツ向けイヤホン

JBLやAKGなど多くのブランドを扱っているハーマンインターナショナルのブースでは、新たにハーマングループとなった「yurbuds」ブランドのスポーツ向けイヤホンを展示。

yurbudsブランドのイヤホンは、耳のくぼみに合わせて回転させながら装着する「YWISTLOCL TECHNOLOGY」を採用。激しい運動を行っても外れにくいという特徴を持っている。外からの音を必要以上に遮らない構造を採っており、ウォーキング中などの安全性にも配慮されている。

スタンダードモデルの「INSPIRE」シリーズ、女性向けモデルの「FOR WOMEN」シリーズ、より激しいスポーツ向けにイヤーフックを装備した「FOCUS」シリーズの3シリーズが展開されている。

また、JBLブランド、AKGブランドともに、ファッショナブルなデザインで豊富なカラーバリエーション展開を行うカジュアルユース向けモデルを出展。JBLブランドのモデルは「SYNCHROS E」シリーズで、「SYNCHROS E50BT」「SYNCHROS E40BT」「SYNCHROS E30」の3モデル。AKGブランドンのモデルは「Y」シリーズで、「Y40」「Y50」「Y55」「Y45BT」の4モデルをラインナップ。いずれも密閉ダイナミック型のオンイヤーポータブルモデルで、JBLのE50BTとE40BT、AKGのY45BTはBluetoothに対応している。

左がJBLブランドの「SYNCHROS E」シリーズで、右がAKGブランドンのモデルは「Y」シリーズ

AKGに関してはこれまで、パーソナルユース向けの製品はハーマンインターナショナル、プロユース向けの製品はヒビノプロオーディオセールスが取り扱っていた。ハーマンインターナショナルは、ヒビノとディストリビュート契約を締結。今後、プロオーディオ製品も販売できるようになる。これに伴いブースには、これまでヒビノ扱いとなっていた「K812 PRO」も展示されていた。

「K812 PRO」

プロ用音響機材の技術詰め込んだハイレゾプレーヤー - トップウイング

トップウイングブースでは、Lotoo社のハイレゾプレーヤー「PAW GOLD」が注目を集めている。Lotooはアジアでトップシェアを持つ放送機器メーカー。スイスのKudelski社のNAGRAブランドで販売しているプロ向けのレコーディング機器のODMも行っている。

「PAW GOLD」

PAW GOLDは、Lotooとしては初となる民生向けの製品。DSD 5.6MHzのネイティブ再生に対応したハイレゾプレーヤーだ。ストレージはSDHC/SDXCメモリーカード。最近のプレーヤーでは、Androidなどの汎用OSを使用したものが多いが、PAW GOLDはオリジナルのOSを採用しており、最大2TBにまでのストレージを利用可能だ。DACチップにはテキサス・インスツルメンツ社製の「PCM1792」、ヘッドホンアンプには同じくテキサス・インスツルメンツ社製の「LME49600」を採用している。

筐体は航空産業用アルミ合金で、非常に堅牢。ジッターも5ppmにまで抑えられており、引き締まった太いサウンドを体験できる。12月20日発売で、価格は285,000円(税込)だ。

バランス接続の据え置き型ヘッドホンアンプ - 協同電子エンジニアリング

Phasemation(フェーズメーション)ブランドを展開する協同電子エンジニアリングブースでは、バランスドライブのヘッドホン「EPA-007x」を出展している。

「EPA-007x」

EPA-007xは、「EPA-007」の後継モデル。従来モデルでは、6.3mmステレオ標準ジャック×2だったヘッドホン出力端子が、XLR/6.3mm兼用端子となった。バランス接続もアンバランス接続タイプのヘッドホンも使用することができる。また、従来同様、ステレオとデュアルモノの切り替えスイッチも装備している。

アンプは、オペアンプを使わないディスクリート構成。4段階のインピーダンス調整に加えて、ヘッドホンの制動力を調整するダンプコントローラーも装備している。入力はバランス(XLR)とアンバランス(RCA)を装備。

ハイレゾプレーヤーのチューンナップモデルを参考出展 - ヒビノブース

ヒビノインターサウンドのブースでは、iBassoブランドのハイレゾ対応ミュージックプレーヤー「DX90j」の限定モデルのプロトタイプが参考出展されている。限定モデルは「DX90j Limited Edition」。2015年の春頃を予定しているが、完全限定モデルで出荷台数も限られたものにあるとのことだ。

「DX90j」

DX90jは、192kHz/24bitのPCM音源、2.8MHzのDSD音源に対応したプレーヤーだ。下の写真はDX90jとLimited Editionの基板を並べたもの。使用されているコンデンサーが変更されているのが確認できるが、そのほかにもバッファーアンプのローパスフィルターを変更。さらにオペアンプは、テキサス・インスツルメンツ社製の「OPA627」にグレードアップされている。

「DJ90j」と「Limited Edition」の基板