米国時間9月11日に米Appleが新型iPhoneの2機種「iPhone 6」「iPhone 6 Plus」を発表し、19日より提供を開始することを明らかにした。

これを受け、KDDI(au)とソフトバンクモバイルが両端末向けの料金プランを発表した。この2キャリアと同じく「iPhone 6」「iPhone 6 Plus」を販売するNTTドコモは記事掲載時点では、料金プランを公表していない。

本稿では現時点での各社の料金プランや端末価格を比較しつつ、どのキャリアのiPhoneが使いやすそうか検討してみた。

iPhone 6

端末価格、実質負担額をチェック!

はじめに、KDDI(au)とソフトバンクの端末価格(一括購入価格)は以下に示す通り。この価格から、毎月一定額が割り引かれたものが利用者の実質負担額となる。

iPhone 6/ Plusの端末価格。わずかな価格差がある

端末価格については、一括購入の場合は全体的にわずかだがソフトバンクのほうが安い。だが、実質負担額を比較すると、au版の方が、一か月あたり10円~15円ほど安いことが分かる。ちなみに、iPhone 6の16GBモデルの実質負担額はともに0円となっている。

前述の通りなおドコモの端末価格、実質負担額は、記事掲載時点では明らかになっていないが、従来モデル「iPhone 5s/5c」発売時の端末価格から考えるとドコモが飛び抜けて安いということは、まずないだろう。

ドコモは新料金プランを強制

続いて、各社の料金プランについて考えてみたい。もちろんドコモのプランは現時点ではわからないが、同社が新規契約・MNPにおける旧料金プランの受付を終了している点に注目してほしい。

このためiPhone 6/ Plusに旧料金プランを適用できるのは、既存のドコモの機種変更の利用者のみに限られるだろう。一方でKDDI(au)、ソフトバンクなら機種変更・新規契約・MNPのいずれの場合においても旧料金プランを適用可能。ただし、ソフトバンクは旧プランの場合、端末代金サポートの月月割が適用外になるので、端末代金の負担が高くなるので注意が必要だ。

固定回線とのセット割は適用できる?

キャンペーンは、ちなみにKDDI(au)、ソフトバンクの利用者であれば、これまで通り固定回線とのセット割も適用できる。そこで、割引後の利用料金も以下に示しておきたい。旧料金プランなら月額5,524円(au、ソフトバンクとも共通)、新料金プランなら(データ通信パック5GBの場合)月額6,590円(au、ソフトバンクとも共通)となる。2社を比較すると、auの方がセット割の提携事業者が多く選びやすい。NTTドコモは固定回線とのセット割を提供していない。

各社とも、iPhone 6/ Plusの発売にあわせてキャンペーンを展開している。購入にあたっては是非、これらのキャンペーンを活用したい。KDDI(au)では、MNPで乗り換える利用者を対象にした「auにかえる割 Plus」(1万円相当のau WALLETへのチャージ、または旧料金プランの月額基本料934円が24カ月無料)を展開。ソフトバンクは「のりかえ割」(Tポイント 10,000ポイントまたは毎月の通信料から合計1,080円割引、旧料金プランの月額基本料934円が24カ月無料またはTポイント 24,000ポイント)を展開している。

ネットワークの現状と将来性は?

できることなら、ネットワークが強いキャリアのiPhone 6/ Plusを利用したいもの。ということで、各社のネットワークの現状と今後の展開についても触れておきたい。まずは通信速度。現状で下り最大150Mbpsが出せるのはNTTドコモとKDDI(au)のみで、ソフトバンクでは下り最大112.5Mbpsが限界となる。対応エリアについてはどうだろうか。下り最大150Mbpsに対応した基地局数で比較するなら、NTTドコモの2,000局予定(15年3月時点)に対してKDDI(au)は10,000局以上(14年9月時点)と、KDDI(au)が圧倒している。

iPhone 6/ Plusでは、複数の周波数帯域をまとめることで通信速度を向上させるCA(キャリアアグリゲーション)に対応する。現在、CAが利用できるのはKDDI(au)のみで、NTTドコモでは2014年度内の開始を予定、ソフトバンクでは2015年以降の開始を予定している。このほか、iPhone 6/ Plusで新たに対応するTD-LTEでの通信だが、現状で利用できるのはau版の「WiMAX 2+」と、ソフトバンク版の「SoftBank 4G」のみ。この2キャリアでは、これまで以上に快適な通信が利用できるだろう。

これらの事実を踏まえると、現在データ通信におけるネットワークが強く、将来性もあるau版のiPhone 6/ Plusが優れていると言えそうだ。

(執筆:大石はるか)