日本人にとってはお馴染みのカップ焼きそば。熱湯で乾麺を戻したあと、ふたにあいた穴から湯を捨てるという作り方は誰もが知るところだろう。しかし北海道では、この湯を捨てずに再利用するという。一体なんのために!? 謎を解明すべく、バラエティー豊かな即席麺を製造・販売している「マルちゃん」でおなじみの東洋水産に問い合わせてみた。

「やきそば弁当」(170円)

東洋水産では、北海道限定で「やきそば弁当」(170円)なる特製中華スープ付きカップ焼きそばを販売している。スープは粉末のお湯を注ぐタイプ。そう。麺を戻したあとの湯は、スープの粉を溶かすために使われるというわけなのだ。それにしてもなんでこんな画期的なアイデアが浮かんだのだろうか?

もともとは発売記念のおまけだったもの

「『やきそば弁当』はもともと1975年8月に本州で発売され、翌年2月に北海道にまで発売地域を広げたのですが、北海道での発売記念として、寒さが厳しい地で需要が伸びるようにとスープを付けたのが好評で、以来すっかり定着しました」。そう教えてくれたのは、東洋水産CSR広報部の担当者。

「レストランでチャーハンや焼きそばにセットでついてくる中華スープを参考にしました。戻し湯で作ることで余分な湯を用意する必要がなく、麺やキャベツなどの具材のうまみが加わった一石二鳥のおいしさが評価されたようです」。

ちなみに、焼きそば単体なのに"弁当"という商品名が採用された理由については、「当時としては珍しい、四角い弁当箱のような容器であったためです」と説明。四角い容器は食べやすく、見栄えもよいことから好評だったという。

「もちろん、味にもしっかりこだわっています。麺はソースとなじみのよい細麺ながらも、歯ごたえとコシのある食感です。この麺に、野菜と果実の甘みを利かせた飽きのこない味わいの液体ソースを合わせ、かやくにはキャベツとソフトな食感の鶏肉ミンチを使用しています」とのこと。

味の種類も豊富!

また、ラインナップを増やすことにも注力。ちょい辛、たらこ、塩、中華風醤油など豊富な味をそろえたばかりか、さらに麺重量が1.3倍の「大判やきそば弁当」、麺重量が2倍の「でっかいやきそば弁当」も発売中だ。

「やきそば弁当 ちょい辛」(170円)

「やきそば弁当 たらこ味」(170円)

「やきそば弁当 塩」(170円)

「やきそば弁当 中華風醤油味」(170円)

左から順に、「大判やきそば弁当」(190円)「でっかいやきそば弁当」(205円)

「年齢・性別問わず支持されていて、当社のカップ麺の中では道内で一番売れている商品です」。そんなにおいしい商品ならぜひとも食べてみたいのだが……。

「発売は基本的に北海道のみですが、東京だと、『北海道どさんこプラザ』などの北海道のアンテナショップでご購入いただけます。その他、各地スーパーなどが実施する『北海道物産フェア』などにお出しすることも多いですよ」。

ちなみに東洋水産では「やきそば弁当」以外に、「赤いきつねうどん」「緑のたぬき天そば」の北海道向け商品もおすすめだという。こちらは、だしに利尻昆布を使用するなどして、道民の味の好みに合わせたのだとか。

左から順に、「赤いきつねうどん 北海道向け」「緑のたぬき天そば 北海道向け」(ともに8月18日より新発売、170円)

うーん、聞いただけでよだれが垂れそう……。生活圏内で次回開催される北海道物産フェアが待ち遠しいぞ!! と思ったのはきっと筆者だけではないはず!

※記事中の情報・価格は2014年8月取材時のもの。価格は税別