「鼻うがい」という言葉を知っているだろうか。通常のうがいは「ガラガラペッ」と口でするもの。ならば鼻うがいとは、鼻でうがいをするのだろうか。そうだとすれば、一体何のために鼻うがいをするのだろうか。
真相を探るべく、鼻うがいの関連製品を販売している小林製薬のマーケティング部 外用剤グループ・亀井枝里子さんに話を聞いてみた。
生理食塩水などで鼻を洗浄
――亀井さん、鼻うがいとは一体どういうものなのですか!? なんか、すごい響きなのですが……
「鼻うがいとは一般的に鼻の穴から生理食塩水などを流し込んで、鼻の奥の汚れなどを洗い流す行為です。耳鼻科などでも行われており、花粉症対策などに効果があると言われています」。
――花粉症対策ですか! 昔から行われていた行為なのでしょうか
「耳鼻科などではある程度昔から行われていたと思いますが、一般の方がご家庭で実施するようになったのはここ10年ぐらいではないでしょうか。弊社では『ハナノア』という鼻うがい用の洗浄液を2005年より販売しておりますが、そういった製品の普及もあり、ご家庭でも一般の皆さまが簡単にできるようになってきていると思います」。
くしゃみ、鼻づまりなどの改善効果も
――実際に花粉症対策としての効果はどれぐらい見込めるのでしょうか
「『ハナノア』と似た他社が取り扱う鼻を洗浄する製品で、花粉症の方に対する臨床例が論文で報告されています。20人の花粉症の方に対し、当該製品を用いて鼻の洗浄を行ったところ、くしゃみで40%、鼻水で26%、鼻づまりで48%の人に改善が見られたとの結果が得られたと報告されています。このことから、耳鼻科で鼻うがいを行う以外に、一般製品でも一定の効果が見込めるのではないかと思います」。
実際、花粉症に悩んでいる人の4人に1人は、花粉飛散のピーク時に鼻うがいをしているという調査結果もあるなど、実践している人も多いようだ。
スギ花粉やヒノキ花粉、イネ科花粉など、ほぼオールシーズンで何らかの花粉が飛散しているため、人によっては通年で鼻うがいをした方がよいだろう。ただ、鼻に液体を入れるとなると、ちょっとおっかない気もする。どのようにしたらよいのか、その方法を次回以降で紹介していこう。
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記事監修 / 亀井 枝里子
小林製薬 製品開発・マーケティング 統括本部 薬粧品事業部 マーケティング部 外用剤グループに所属。