SSDとHDDのデュアルドライブ構成を採用し、アクセス速度と容量を両立

続いて本体背面のカバーを開け、「MB-V700S-SH」の内部を確認してみよう。カバーは計4つのネジを外すことで、簡単に取り外すことが可能。はじめに目に付くのが、CPUおよびGPUと、銅製のヒートパイプでつながれたシロッコファン。このファンの周囲をふさぐと熱暴走の危険があるので、通気口には気をつけたい。

本体背面の様子。3つのカバーがあり、上部のカバーは3つのネジを、中央のカバーは1つのネジを緩めると取り外せる。左下のバッテリーはレバーをスライドさせるだけで外すことが可能

それぞれのカバーを取り外したところ。CPUとGPUの熱がヒートパイプによって本体後方に送られ、ファンによって排気されるという仕組みが確認できる

ストレージスペースは2カ所に分けられており、SSDとHDDのデュアルドライブ構成が採用されている。内蔵されているドライブは、システムドライブに128GBのSSD「ADATA SP900」と、データドライブに500GBのHDD「Western Digital WD5000LPVX」。アプリケーションはSSDに、データはHDDに、といった使い分けを行うことで、アクセス速度と容量を両立できそうだ。メモリは標準で8GB×2枚、計16GBを搭載しており、容量は十分。これだけあれば写真・映像編集といった用途においてもメモリ不足で困ることはまずないだろう。無線ネットワーク環境としては、IEEE 802.11 b/g/n対応の無線LAN、Bluetooth V4.0を搭載。BTOカスタマイズにてIEEE802.11acに対応した「インテル Dual Band Wireless-AC 7260」に変更することもできる。

本体裏面の中央部にはSSDが設置されており、搭載ドライブは128GBの「ADATA SP900」。本体裏面の左上にあるのはHDDとなり、500GBの「Western Digital WD5000LPVX」が採用されている

メモリは8GB×2枚の計16GBの大容量。A-DATA製のSO-DIMMが採用されている。当面交換の必要はなさそうだが、サイドのバーを外すことで換装も簡単に行える

ベンチマークソフトで「Maxwell」の実力を確認

それでは、ベンチマークソフトを利用してMB-V700S-SHのパフォーマンスを計測していこう。最初はWindows エクスペリエンス インデックス スコアの結果だ。Windows 8.1ではコントロールパネルからの確認が行えなくなっているため、 Windows システム評価ツール「WinSAT formal」にて計測を行う。CPUやメモリ、ディスクなどで8.0前後の数値が確認でき、その処理能力の高さは疑いようがない。グラフィックスに関する2項目については、思いのほか伸び悩んでいるが、負荷の低い計測のため、インテル HD グラフィックス 4600の数値が現れているものと考えられる。

Windowsエクスペリエンス インデックス スコア
プロセッサ 7.9
メモリ 7.9
グラフィックス 5.9
ゲーム用グラフィックス 5.6
プライマリディスク 8.0

次に搭載されているSSDとHDDの速度を「CrystalDiskMark」で確認。SSDとHDDでは、やはりはっきりとした速度差が現れる。その分SSDは容量が少ないため、アプリケーションとデータの保管先はうまく使い分けたい。なお、SSDやHDDの容量はBTOカスタマイズで増量できるので、必要なら初めに変更しておくといいだろう。

SSD「ADATA SP900」の測定結果

HDD「Western Digital WD5000LPVX」の測定結果

続いて、Futuremarkの定番ベンチマークソフト2本を動かしてみよう。今回試したのは「PCMark8」のHome acceleratedと、「3DMark」に新たに追加されたラップトップ向けのテスト"sky diver"だ。ともに、並みのノートPCを大きく引き離す計測結果が得られている。とくに「3DMark」に関しては、あえてsky diverにせずとも、ハイエンドゲーミングPC用のテスト"Fire strike"でも行けるだろうと思わせてくれる数値が計測された。

PCMark8 Home accelerated 3.0
Your Home conventional 3.0 Score 3576
Web Browsing - JunglePin 0.317 s
Web Browsing - Amazonia 0.136 s
Writing 3.82 s
Photo Editing v2 0.228 s
Video Chat v2 / Video Chat playback 1 v2 30.0 fps
Video Chat v2 / Video Chat encoding v2 34.0 ms
Casual Gaming 28.1 fps
Benchmark duration 38min 18s
Futuremark 3DMARK 「sky diver」
3DMark Score 11807
Graphics Score 12838
Physics Score 7749
Combined Score 14458
Graphics Test 1 56.52 fps
Graphics Test 2 60.89 fps
8 threads 140.37 fps
24 threads 82.05 fps
48 threads 47.15 fps
96 threads 26.04 fps
Combined Test 59.5 fps

最終テストとして、国産ゲームのベンチマークテスト2種類を試そう。テストしたのは「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編」と「ドラゴンクエストX ベンチマークソフト」だ。一昔前まではデスクトップPCですら重くて仕方がなかったファイナルファンタジーXIVのベンチが、ノートPCで最高設定でもあっさり動作するのは、感動を通り越して拍子抜けすらする。これが「Maxwell」の実力だとするならば、GPUの進化はすさまじい。現在発売されている多くのゲームを、ほとんど不満を感じることなく楽しめそうだ。

ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編
設定 スコア 評価
1280×720【高品質(ノートPC)】 13506 非常に快適
1280×720【最高品質】 10578 非常に快適
1920×1080【高品質(ノートPC)】 7696 非常に快適
1920×1080【最高品質】 5772 とても快適
ドラゴンクエストX ベンチマークソフト Ver.1.10
設定 スコア 評価
1280×720【最高品質】 15634 すごく快適
1920×1080【最高品質】 11973 すごく快適

プリインストールOSには、Windows 8.1はもちろんWindows 7も選択可能

ここまでハード中心に確認してきたので、ソフトのほうも確認してみよう。プリインストールOSは、Windows 8.1 Update 64ビット版となっている。まだWindows 8.1では動かないソフトが……という人向けに、BTOカスタマイズでWindows 7も用意されているので、自分の環境に合わせて選ぼう。インストールされているソフトは「カスペルスキー インターネットセキュリティ」やCyberLinkの「Media Suite 10」「PhotoDirector 4」などだ。そのほか、ハードウェアを有効に活用するために、状況に応じて電力設定などを切り換える「Control Center」が搭載されている。本体右上のボタンからソフトを起動し、液晶の輝度やファン回転速度、電源設定、フライトモードなどの設定を変更可能だ。また内蔵サウンドチップ「VIA HD Audio」の音声入出力をより聞きやすく、伝えやすくするための「Sound Blaster CINEMA」を搭載しており、臨場感のあるサウンドを堪能できる。

システムに関する変更を素早く行える「Control Center」。本体右上のボタンやタスクトレイから起動して利用できる

音声を仮想サラウンド化やラウド調整、マイクに入力された信号の自動調整などを行ってくれる「Sound Blaster CINEMA」

迷ったときの最終候補! すきのない構成で12万円以下のコストパフォーマンス

ここまで写真やベンチマークテストで確認したとおり、MB-V700S-SHにははっきりいって欠点らしい欠点がほとんど存在しない。フルHDディスプレイの筐体に、クアッドコアCPU。処理能力の高いGPUに加え、SSDとHDDをデュアルで搭載し、メモリは16GBだ。価格も12万円以下とコストパフォーマンスも高い。少し気になる点があるとすれば大きさや重さなどだが、それは長所と隣り合わせといえるだろう。15型ノートPCが想定していないモバイル用途を除けば、満遍なく対応できるノートPCであることは疑いようがない。もしノートPC選びで迷っているなら、ぜひMB-V700S-SHを検討してみてほしい。その確実な性能は、間違いなく有力な候補となるだろう。

標準スペック

メーカー マウスコンピューター
型番 MB-V700S-SH
ディスプレイ 15.6型フルHDノングレア液晶(1920×1080)
CPU インテル Core i7-4710MQ
メモリ 16GB PC3-12800 DDR3L SO-DIMM
SSD 128GB Serial ATAIII
HDD 500GB SerialATAII
チップセット モバイル インテル HM87 Express
光学ドライブ DVDスーパーマルチドライブ
グラフィックス NVIDIA GeForce GTX 860M
OS Windows 8.1 64ビット
LAN ギガビット(10/100/1000)LAN、IEEE 802.11b/g/n対応無線LAN
インタフェース USB 3.0×3(右側面×3)、USB 2.0×1(左側面×1)
サイズ W374×D250×H16.3~42.7mm(折り畳み時)
重量 約2.7kg
バッテリー駆動時間 約5.4時間
価格 119,800円(税別)

上記スペックは、あくまで構成の一例だ。BTOを駆使して、ぜひ自分好みの一台を作ってみてほしい。

価格・構成については、2014/6/27(記事作成日)現在の情報です。最新情報についてはマウスコンピューターのサイトにてご確認ください。