グループリーグ第2戦まで進んだサッカーW杯ブラジル大会。そんな中、日本マイクロソフトはサッカー漫画『GIANT KILLING』(講談社・モーニング連載)とコラボレーションした「すぽレットキャンペーン」を実施している(関連記事)。すぽレットキャンペーンにおいて注目すべきは、サッカー観戦を盛り上げるWindowsストアアプリ「リアサカLIVE」を無償提供している点だ。

日本マイクロソフトが実施中の「すぽレットキャンペーン」。印象的なスポーツの名場面をハッシュタグ「#spolet」付きでツイートすると、抽選で1名に最大100万円相当のプレゼントが当たる

リアサカLIVEはサッカー中継を8インチクラスのWindowsタブレットでも楽しめるように、日本マイクロソフトとデータスタジアムで共同開発した、試合内容をリアルタイムで分析・確認するアプリケーションである。チームのシュート数やボール支配率などがリアルタイムで更新されるため、サッカーファンにとって便利だ。

「リアサカLIVE」のメイン画面。試合スケジュールやスコアも確認できる

ちょうど本稿は、6月20日の日本対ギリシャ戦を終えた後に執筆している。この試合をもとに「リアサカLIVE」の機能を紹介しよう。上図はアプリケーションを起動した状態だが、W杯のスケジュールや試合結果を確認できる。

試合が始まると、スタメンを確認できるほか、ボール支配率やパス回数、パス成功率も数値で示される。イエローカードや交代選手も随時反映されるため、状況を把握しやすい。また、詳細チームデータではシュート数(枠内/枠外)やファール数だけでなく、攻撃割合を視覚的に表してくれる。

スタメン選手情報は、相手チームの選手名がわからないようなユーザーには、実にありがたい。筆者はギリシャ代表選手をほとんど知らないが、試合観戦中に背番号を確認しながら「リアサカLIVE」に目を向けると、"中盤の選手がイエロー1枚目か"という感じで確認できる。

対ギリシャ戦の途中画面。詳細チームデータを開くと、攻撃割合をグラフで確認できる。日本は結構攻めていたのだが……

ここからは試合後の画面を用いるが、試合中でもプレイエリアを可視化したチーム別のヒートマップや、個別選手の詳細情報を確認できる。ヒートマップでは日本の左サイド前方が赤くなっており、長友選手や岡崎選手(前半)、香川選手(後半)のいる左サイドからの攻撃が中心だったことを示している。日本のボール支配率が高かったことも、ギリシャのヒートマップと比べるとよくわかる。

日本のヒートマップ。左サイド中盤が色濃く示されているが、バイタルエリアにあたるペナルティアークの前は薄い

こちらはギリシャのヒートマップ。自陣ゴール前がもっとも色濃く、日本陣内では右のコーナーフラッグ付近がかろうじてオレンジ色だ

どの選手が誰にパスをしたのか視覚的に確認するパスルートも表示可能。例えばギリシャ戦でシュート回数がもっとも多かった大久保選手は、ボランチの山口選手や遠藤選手に3回のパスを出していた。山口選手はボランチらしく、ゴールキーパーを除くすべての選手にパスを供給していた。ちなみに後半出場の遠藤選手も似たようなパスルートだった。

選手のパスルートやシュート数なども確認できる。大久保選手はオフザボールの動きやシュートを重要視していたためか、パス回数は少ない

こちらは山口選手のパスルートを含む情報。パス成功率は約80%であることが数値からわかる

PKやFKにおける精度や得点率も数値だけでなく視覚的に示される。表示できる2010年8月以降の代表戦から上位2選手に限られるが、FKでの得点数をシュート数で割った得点率は面白い。現在のサッカー日本代表では、本田選手がFKを蹴る回数が多いものの得点率は2%、対する遠藤選手は15%だ。

過去のFK、PKの得点率を示す情報。FK得点率は本田選手よりも遠藤選手が高い

電光掲示板風の領域に、注目情報が流れてくる

「リアサカLIVE」は30秒ごとに情報を更新する。日本対ギリシャ戦のデータ量は約210MBだった

さて、本稿執筆時点で日本を含むグループCは2試合を終えた。6月15日の対コートジボワール戦は、1対2で勝ち点ゼロ。6月20日の対ギリシャ戦は0対0のスコアレスドロー。勝ち点はコロンビアが6、コートジボワールが3、日本とギリシャが1。

日本がグループリーグを突破するには、6月25日の3戦目でコロンビアに勝利することが大前提だ。そして、ギリシャがコートジボワールに勝つか引き分け、さらに日本は得失点差でギリシャを上回る必要がある。長年サッカー日本代表を見てきたものの素人視点が抜けない筆者でも、対コロンビア戦に勝利するのが難しいことは百も承知だ。

「リアサカLIVE」はサッカーW杯で日本代表が戦う試合のみデータ配信を行っている。つまり、次のコロンビア戦が同アプリケーションを活かせる最後のタイミングになるかもしれない。だからこそ、リアサカLIVEとともにコロンビア戦で日本代表を応援してほしいのだ。サッカーに少しでも興味をお持ちの方はWindowsストアでリアサカLIVEをダウンロードし、6月25日はブラジルの地にいるサッカー日本代表選手へエールを送ってほしい。

阿久津良和(Cactus)