岐阜県中部の郡上八幡は、町のシンボルである郡上八幡城をはじめ、職人町や鍛冶屋町の景観、400年の歴史がある「郡上おどり」などが楽しめる観光名所として知られている。そんな城下町ある創業明治5年の老舗旅館「中嶋屋」は、5代目の女将とともに、修行中の猫女将が出迎えや見送りをするという、旅と猫の好きな人には見逃せない旅館だ。

「中嶋屋」ではこの「べか」がお出迎え

部屋ごとに貸し切りできる岩風呂と槙の木の風呂

全9室の和室と廊下は畳敷きとなっており、お風呂は部屋ごとに時間制限なく貸し切りで使える岩風呂と槙の木の風呂を用意。郡上八幡をゆっくりと楽しむための、気軽に泊まれる朝食つき和風旅館を目指しているため、食事は朝食のみとなっている。夕食は町の食事処で楽しめるとのことで、水の町だけあって、春はヤマメ、夏は鮎といった川魚がおいしいという。

郡上八幡の老舗旅館「中嶋屋」

部屋はすべてが畳敷きとなっている

壁の中から救出された「べか」はただいま修行中!

中嶋屋で暮らす猫は、比較的おとなしい性格で「べか」という名前の雌猫。親猫に客室の内壁と外壁の間に置き去りにされ、壁の中から救出されたことから付けられた名前で、まるで旅館から生み出されたような猫なのだ。

救出された後に女将が飼い主となり、現在は猫女将修行中として、女将と一緒に出迎えや見送りをするほか、各部屋にお邪魔することもあるという。女将は過去に2回ほど犬を飼ったことはあるが、猫を飼うのは「べか」が最初とのこと。しかし、「(自分は)絶対犬派と思っていましたが、今や猫派だったんだと思っています」と語っており、いかに「べか」が愛されているのかがうかがい知れる。

そして今日も、「べか」は女将と一緒に出迎え・見送り

なお郡上八幡は、日本名水百選第1号に指定された「宗祇水(白雲水)」が湧き、町割りに沿って「御用用水」が張り巡らされ、長良川や吉田川が流れる水の町としても有名。そのほか、食品サンプル発祥の地でもあり、食品サンプルのお土産が購入できたり、製作体験などが行えるのも楽しみのひとつだ。修行中の猫女将に会うためにも、一度足を運んでみては?