オタクカルチャーに詳しく、アニメ・特撮ファンからも絶大な人気を誇る歌手・マルチタレントの中川翔子が主演を務める特撮映画『ヌイグルマーZ』が、1月25日に公開された。

映画『ヌイグルマーZ』より

本作は中川が全身ピンクのヒーロー「ヌイグルマー」に変身し、大切な人を守るためにわが身をかえりみず戦うという"本格特撮ヒーロー"作品。幼少時から特撮変身ヒーロー作品を愛し続けてきたという中川にとって、念願ともいえる役どころになった。

原作は大槻ケンヂによる小説『縫製人間ヌイグルマー』。そして監督を務めるのは『富江アンリミテッド』『電人ザボーガー』など、カルト的娯楽アクションムービーを数多く手がける鬼才・井口昇。濃厚なスタッフ、共演者に囲まれてなお、独自の個性を発揮し続けた中川に、本作への熱い思いを語ってもらった。

中川翔子
1985年5月5日生まれ 東京都出身
しょこたんの愛称で知られるマルチタレント。自身の公式ブログ「しょこたん☆ぶろぐ」も人気博し、タレント活動はもちろん、声優や歌手、イラスト、女優業など多方面で活躍している。『ヌイグルマーZ』の主題歌では、ロックバンド・特撮とコラボを果たし、4月2日にはニュー・アルバム『9lives』がリリースされる
撮影:荒金大介(Sketch)

――今回、中川さんはロリータファッションに身を包んだ「ダメ子(本名・夢子)」役ですが、このダメ子がヒーロー・ヌイグルマーに変身するんですね。中川さんにとっては初の変身ヒーロー役ということで、まずはご感想からお願いします。

ずっと「特撮」作品に出演して、劇中で「変身」したいというのがこの世界に入るきっかけでしたが、これまでずっと特撮番組のオーディションを受けても落ちてばっかりだったんですよ……。まさか、こんなに時が経ってから夢が叶うなんて! という気持ちです。今回、大槻ケンヂさんの原作で、こんな可愛い衣装を着て、カッコいいヒーローに変身することができるなんて……本当に、生きててよかったと思っています!

――ブログなどでずっと変身ヒーロー好きだと公言していた中川さんですから、喜びもひとしおですね。撮影中、お芝居をする中で意識したり、参考にしたりしたヒーローはいますか?

私、幼いころからずっと「スーパー戦隊」が大好きだったんですけれど、今回の映画は単体ヒーローなので、意識的にチームじゃなくて一人で戦うメタルヒーローのことを考えていました。一押しのヒーローって聞かれても、たくさんいるので一人には絞ることはできませんが……。

――では、今日の気分で1人お選びになるとしたら?

そうですね。今日の気分は『巨獣特捜ジャスピオン』かな(笑)。

――『ジャスピオン』とは渋い(笑)。それにしても、ロリータファッションの女子が、全身ピンクとはいえカッコいい「男」の「ヒーロー」になるというのは、かなり異例ですね。

ダメ子がヌイグルマーになるためには、姪・響子(市道真央)を守りたいという強い気持ちが必要なんです。そして私がなぜ、全身ピンクのヌイグルマーという姿に変わるのか、映画を観る前の方にはよくわからないかもしれませんが、映画ではその理由が明確に語られていますので、その部分をよくご覧になってほしいですね。ヌイグルマー! と叫びながらポーズをとって変身するシーンは、とてもうれしかったです。……続きを読む