3月4日~7日の期間、東京国際展示場(東京ビッグサイト)で、「LED Next Stage 2014」が開催されている。LED Next Stage 2014は、新しい照明のスタイルを提案する総合展示会だ。

今回のテーマは「創造と真価!LED照明と有機EL照明の挑戦」。LED Next Stageの名前の通り、次世代のLED照明技術に加え、LEDの次の照明用光源として期待されている有機EL技術を中心とした展示が行われている。

LED電球側で調光に合わせて色温度を調整 - パナソニック

生活空間のなかで、照明の光色は大きな意味を持っている。例えば、蛍光灯の光よりも電球の光のほうが、食材はおいしそうに見えるし、集中して作業を行うような場合には、寒色系の灯りのほうが適している。また、光色と明るさによって居心地のよさも変わってくる。電球色の照明であまり明るすぎると暑苦しい印象になるし、逆に昼白色の照明で暗くすると寒々しい印象になる。

パナソニックでは2011年より、「シンクロ調色」に対応したLED照明をリリースしている。シンクロ調色は、暗いときには電球色(2200K)、明るさを増すにつれて昼白色(5000K)に光の量と色を連動させてコントロールすることで、常に光の色と量を快適なゾーン内にキープする機構だ。

「シンクロ調色」に対応したペンダント

ただし、シンクロ調色を利用するには、電源線と信号線の両方を配線する必要があり、白熱電球用の2線式調光器が設置されている環境にそのまま使用することはできない。

LED Next Stage 2014のパナソニックブースでは、「スマート調光」技術を採用したLED電球が参考展示されている。スマート調光は、シンクロ調色に近い処理をLED電球内に取り込んだもの。調光器によってLED電球の明るさが変化させると、その明るさで快適に感じられるように、電球側で自動的に調色を行うというものだ。調光器は、白熱電球用のものをそのまま使用することが可能だ。

参考出展されている「スマート調光」技術

また、有機EL照明モジュールの試作品も参考出展。薄型でフレキシブルな有機ELパネルや、LED照明並みの効率100lm(ルーメン)/Wを実現した有機ELパネルなどが展示されている。高効率化は、有機EL照明の課題となっている寿命を延ばすことにもつながる。有機ELパネルでは、光の量を増やすために大きな電流を流せば流すほど、パネルの寿命が短くなる。効率がアップすれば、より少ない電流で大きな明るさが得られるようになり、パネルの寿命も延びることになる。同社では、10万時間の定格寿命を目指しているとのことだ。

高効率な有機ELパネル(右)

遂に有機EL市場に参入 - 東芝ライテックブース

2007年、「E-CORE」ブランドで家庭用LED照明の分野に国内メーカーとしていち早く参入した東芝ライテックは、その後も照明のLED化を推進。住宅設備用も含めてほぼすべての分野をカバーするラインナップを揃え、現在に至っている。

同社は2013年まで、有機EL照明への本格的な参入は行っていなかったが、2014年3月3日、一般家庭向けに光源に有機ELパネルを使用したブラケット4製品を発表。有機EL照明の分野でも、一歩先んじた形となっている。

3月3日に発表された有機ELブラケットの「YELB80004」

ブースでは、発表された4製品に加え、有機EL照明の試作品を参考出展。テーブルなどの家具に照明を組み込んだモデルや、主照明として使用できる明るさを持ったモデルも展示されている。

参考出展されている有機EL照明の試作品

試作開発品には、新開発の透過形片面発光パネルが採用されている。透過形片面発光パネルは、パネルの片面からのみ発光し、反対側からは向こうが透けて見える。同社では、このパネルを部屋の扉に組み込むことで、外光の取り込みと照明を同時に行うといった応用を考えているという。

透過形片面発光有機ELパネル

また、LED照明では、調光してもチラつきが発生しにくいLED電球や、調色可能なLEDベースライト、マルチカラーのLEDシーリングライトなどの新製品を展示。また、インテリアに合わせてチョイスできるシーリングライトやブラケット、ペンダントなども展示されている。なかでも、強化された和風デザインのラインナップは注目を集めている。

調光してもチラつかないLED電球

切子風の和風デザインを採用したLEDペンダント