年末に大掃除を行う家庭は多い。普段の掃除では手を出さない部分も、大掃除のときならば手を出してみようという方も多いのではないだろうか。ここでは、手軽だが効果の大きい、ちょっとした電化製品の設備更新を紹介したい。

一般家庭では、壁コンセントは1カ所につき1口か2口が標準だ。そのため、多くの電化製品を一度に使用する場合、電源タップは必須の機器だ。しかし、必須ではあるのだが、普段はほとんど存在を意識されていない機器のひとつでもある。自分が使用している電源タップの型番、あるいは製品名を覚えているという人はほとんどいないはずだ。なかでも、テレビやレコーダーなどAV機器、またはデスクトップPC回りで使用しているものは、普段抜き差しすることもないため、特にその存在が希薄な傾向がある。大掃除の際にチェックしてみてはいかがだろうか。

電源タップは身の回りにあるごく普通の機器なのだが、よくよく考えると交流100Vをダイレクトに抜き差しする機器でもある。外からは見えにくいが、接点部分では火花も飛んでいる。また、製品寿命といったものも特に指定されてないため、とんでもなく昔の製品が現役で使用されていたりする場合がある。あまりにも古いものは使用を控えたほうが賢明だ。

チェックするポイントは、コード部分に傷みがないか、差し込み口部分にホコリがたまっていないか、変形がないかといった点だ。また、振ってみて中からカラカラと音がするような場合、内部に異物が入っているので、分解して取り出すか、分解できない構造のものは使用を控えたほうがよいだろう。

いつからあるのかわからない電源タップ。振るとカラカラ音がする

電源タップのコードの傷みは、無理に引っ張ったり、コードを家具が踏みつけていたりという使用上の不注意から発生する場合が多い。また、樹脂製の被覆には経年劣化が発生する場合がある。コードの被覆が破れていたら、新しいものに交換するべきだ。そうではなく一部が傷付いている場合でも、その部分の強度が落ちているので、早めの交換を勧めたい。

経年劣化のひどい電源コード。昭和30年代前半の製品のものなので仕方がない

差し込み口部分にホコリがたまるような環境で使用する場合は、トラッキング現象を防ぐためにも、耐トラッキング性能が高く、差し込み口にフタが閉まるタイプのタップに交換するのがオススメだ。トラッキング現象は、電源プラグに付着した埃に湿気が加わることで加熱し、最悪の場合は火災にまで至ってしまう現象だ。

耐トラッキング性能の高い電源タップ「ザ・タップX」(パナソニック)

変形があった場合、おそらくそこでいずれかの機器がショートしたか、あるいは何らかの原因で加熱したと考えられる。この場合、タップだけでなく接続している機器側もチェックしたい。また、極端なタコ足配線は加熱を招くおそれがある。