オンライン上のデータ追跡を可視化するLightbeamアドオン

ご存じかと思うがWebでは、さまざまなデータが収集されている。代表的なものはCookeiなどだ。Mozillaではかねてより、オープンな世界を標榜してきた。そして、その実現のためにさまざまなことを行ってきた。Firefoxでいえば、「Do Not Track(私を追跡しないで)」などの実装がある。ここで紹介するLightbeamアドオンは、Web上でやりとりするさまざまな当事者と第三者のつながりを視覚化するものだ。

実はこのアドオンは、2012年3月に遡る。「Collusion」という名前でリリースされた。Lightbeamアドオンは、Collusionを進化させたものといってもよい。Coluusionの記事は、こちらを参照してほしい。さて、インストールから始めよう。アドオンマネージャで「Lightbeam」で検索する(図6)。

図6: 「Lightbeam」で検索する

[インストール]をクリックする。再起動不要で有効になる。右下にLightbeamのアイコンが配置されるようになる(図7)。

図7: Lightbeamのアイコンが右下に配置

検索サイトやショッピングサイトを少しブラウズした状態で、一度、Firefoxを再起動すし、Lightbeamを起動する。たったこれだけでも、かなりのWebサイトが表示されるようになる(図8)。

図8: 可視化されたWebサイト

丸のサイトが実際に閲覧したWebサイトである。そして、三角の印がそれと関連する第三者サイトとなる。それぞれのサイトにマウスポインタをフォーカスすると、サイト名が表示される。第三者サイトのCookeiやスクリプトがあるということは、個人情報やインターネットへのアクセスが監視され、プライバシー上問題がある可能性が高い。そして、丸の自分が閲覧しているWebページからの接続が多いということは、個人情報などが類推されやすくなっている可能性がある。関連は、色によって区別され、Cookeiは紫のラインで表示される。これらの表示は、下のメニューから表示の変更が可能である(図9)

図9: 表示方法を変更

他にも、最近、閲覧したサイトや直近の10サイト、今日、1週間といったフィルターも可能である。表示されたWebサイトをダブルクリックすると、詳細情報が表示される(図10)。

図10: 詳細情報の表示

閲覧日時、サーバー位置、接続されているWebサイトの一覧などである。他にも時系列表示(図11)やCookeiの一覧(図12)なども表示できる。

図11: 時系列表示

図12: Cookei一覧

このあたりは、Lightbeamで追加された新機能である。やはり閲覧サイトが少ない状態では、あまり詳しいことはわからない。図13は、普段利用している1週間の記録である。

図13: 1週間の記録

このように数が多くなると、中央付近の大きな丸がよく閲覧するWebサイトということがわかってくる。また、中央付近の大きな三角は、google-analytics.comでGoogleのサービスをよく利用していることがわかる。しかし、三角なのでAnalytics自体は直接は閲覧していない。また、上のほうには、これらとはまったく関連していないサイトも2つある。こうして、自分の行動や監視状態を把握することができる。

このようなアドオンをリリースするMozillaは、誰もが自分の個人データとプライバシーを自分で管理できるようにすべきだと考えている。そのために、ユーザーが十分な情報に基づいて意思決定できるようにすべきであり、そのための道具として活用してほしいとのことだ。Mozillaらしいユニークなアドオンであるが、できれば日本語化されることを期待したい。