各分野の専門家の方にお勧めの書籍を紹介していただいている本企画。今回は、アイレット株式会社の後藤和貴さん(cloudpackエバンジェリスト)に、クラウドコンピューティングに関する書籍を紹介していただきました。デザインパターンの解説書から運用のノウハウ書まで幅広く取り上げていますので、ぜひ参考にしてください。

関連記事 : スペシャリストの選書 - (1) セキュリティ 辻伸弘氏      
関連記事 : スペシャリストの選書 - (2) 要求定義 三輪一郎氏       
関連記事 : スペシャリストの選書 - (3) 開発プロセス 正木威寛氏     
関連記事 : スペシャリストの選書 - (4) プロジェクトマネジメント 岡大勝氏
関連記事 : スペシャリストの選書 - (5) モデリング 羽生田栄一氏     
関連記事 : スペシャリストの選書 - (6) プログラミング 伊藤直也氏    
関連記事 : スペシャリストの選書 - (7) クラウド 後藤和貴氏       
関連記事 : スペシャリストの選書 - (8) システム運用 原田旨一氏     
関連記事 : スペシャリストの選書 - (9) ネットワーク 藤田雄介氏     

プロフィール

後藤 和貴氏

cloudpackエバンジェリスト(AWS SAMURAI 2012/2013、2011年度AWSソリューションパートナー特別賞受賞)。もっと多くの人にクラウドを利用してもらうため、AWSの導入から運用までサポートするcloudpack(http://www.cloudpack.jp/)を2010年4月から開始。テクニカルディレクターとしても活動中で、経営視点×ビジネス視点×技術視点でモノを捉えてクラウド導入の支援も行う。

『Amazon Web Services クラウドデザインパターン設計ガイド』、『Amazon Web Services クラウドデザインパターン実践ガイド』―― 著者:玉川憲ほか、発行:日経BP社

『Amazon Web Services クラウドデザインパターン設計ガイド』

『Amazon Web Services クラウドデザインパターン実装ガイド』

物理的なインフラを扱っていた時代の設計ノウハウと、クラウド化されたインフラの設計ノウハウは異なります。

後者について図を示しながら説明しているリファレンスが『Amazon Web Services クラウドデザインパターン設計ガイド』です。48のデザインパターンを掲載しています。

一方、Webサイトの成長に合わせてどの局面でどのデザインパターンが有効かといった具体的な説明をしているのが『Amazon Web Services クラウドデザインパターン実践ガイド』です。アカウントを取得するところから説明しているので、初心者が実際にAmazon Web Serviceを使っていく際に参考になります。

どちらの書籍も、古くからインフラエンジニアをしている人だけでなく、これからAmazon Web Serviceを使おうとするシステム運用のエンジニアにもお勧めです。

『PCIデータセキュリティ基準完全ガイド』

『PCIデータセキュリティ基準完全ガイド』―― 著者:ネットワンシステムズほか、発行:日経BP社

PCIデータセキュリティ基準とは、クレジットカード情報および取り引き情報を保護するために策定されたクレジットカード業界におけるグローバルスタンダードです。本書では、この基準を満たすための要件から、実装レベルでどう対応するのか、どういったツールが有効なのかといったことまで実践的に説明しています。

PCIデータセキュリティ基準に関する日本語の情報が少ないなかで、著者であるネットワンシステムズさん、VISAさん、NTTデータ・セキュリティさんが、自分たちの取り組みに基づいて説明しているので非常にわかりやすい内容になっています。

クラウドサービス上でクレジットカードを扱う事業者やエンジニアはもちろんのこと、顧客の情報を扱う一般企業のエンジニアにも読んでほしい1冊です。

『Mobageを支える技術』

『Mobageを支える技術』―― 著者:DeNA、発行:技術評論社

本書は、大規模なWebサービスの構築および運用のノウハウを詰め込んだ1冊です。タイトルにあるように、日々成長する巨大システム「Mobage」の開発者が、その開発および運用のポイントをまとめています。

大規模なWebサービスを扱うために必要なインフラの考え方から、ミドルウェアの選択およびパフォーマンスチューニングまで、インフラのエンジニアが日々考えている設計手法などを生々しく描いています。

運用の中でも、自分で設計して構築していく人や、ハイパフォーマンスが求められたり膨大なデータを扱ったりするようなやシビアな環境に置かれているエンジニアにお勧めします。

『ウェブオペレーション』

『ウェブオペレーション』―― 著者 : John Allspaw、Jesse Robbins、発行 : オライリージャパン

システム管理者など、ウェブオペレーションに携わる人が行っている事柄や注意すべき事柄を、さまざまな側面から書いています。

複雑なシステムはなぜ失敗するかなど、実際に経験した人にしかわからないことが学べます。

新しくWebサービスを作る際、インフラの担当になる人が持っておくべき知識を広く知るうえで参考になります。

『エバンジェリスト養成講座』―― 著者:西脇 資哲、発行:翔泳社

『エバンジェリスト養成講座』

自社の製品やサービス、あるいは自社そのものを魅力的に話すエバンジェリストに必要なTipsをまとめた1冊です。個人個人でプレゼンテーションのスタイルは違うと思いますが、エバンジェリストであれば持っておくべきプレゼンテーションに関する共通のノウハウを紹介しています。

相手に応じて伝え方を変える方法や、セルフプロデュースの戦略などを具体的に説明しています。本書のテクニックを身に付ければ、より良いエバンジェリストの活動ができると思います。

プレゼンテーションに自信がないプログラマの方などにもお勧めします。