狭い場所にも置ける小ささが魅力

付箋紙のような軽い粘着力のあるロール紙を使って、メモを手軽に印刷できるカシオ計算機の「memopri」(メモプリ)シリーズ。すでにシリーズで数機種がリリースされているが、待望のWi-Fiに対応してスマートフォンなどからワイヤレスでメモ印刷できる最新モデル「MEP-F10」を取り上げたい。

既存モデル「MEP-B10」でもワイヤレス印刷はできたが、インタフェースがBluetoothで専用アプリもAndroid用。iOS端末では使えなかった。最新の「MEP-F10」では、新たにiOS用アプリが提供されたのも大きなポイントだ。筆者はmemopriが登場したときから気になっていたのだが、iOS端末で使えたら…という部分で購入に踏み切れなかったところがある。今回のMEP-F10はまさに待望のモデル。運良く試用できる機会に恵まれたので、さっそく紹介していこう。筆者所有のiPhone 4S(以下、iPhone)を使って試してみた。

「MEP-F10」

本体サイズはW61×D118×H68mmで重量は約240g。底面積はほぼiPhone 4Sと同じで、高さはiPhone 4Sを横にして立てたのと同じくらいといえばイメージしやすいだろうか。上面はフタになっており、中に専用テープ(印刷用紙)を入れる。上面にぽつんとあるのは開閉スイッチ

正面にはテープの排出口がある。出てきたテープは上に引っ張り、カッターにあてて切る

側面には電源スイッチとテープの残量を確認できるのぞき窓

背面にはPC接続用のmicroUSB端子、Wi-FiのAPモードとクライアントモードの切り替えスイッチ、ACアダプタ端子が並ぶ

フタを開けると、専用テープを収納するスペースがある。テープを伸ばしてフタを閉じるだけでセッティング完了

「MEP-F10」はかなり小型なので、デスクのちょっとしたすき間にも置いておける。テープの交換時は本体を操作しなければならないが、テープの搬出口が見えていれば、上に物を乗せようが脇をふさごうが問題ない。すき間に入れて使うことまで考えれば、電源スイッチが正面にあると良かったかも。

本体に比べてACアダプタは結構大きめ

電源は付属のACアダプタだが、将来的にUSB給電で動作するようになると嬉しい。ただ、モバイル的に使うためのオプションとして、モバイル電源「PSM-10」が用意されている。単3形アルカリ乾電池×8本、または単3形eneloop/充電式EVOLTA×8本をバッテリとして利用し、専用テープで約4巻の印刷が可能だ。

ちなみに、電源として単3形アルカリ乾電池×4本、または単3形eneloop/充電式EVOLTA×4本が使える「MEP-T10」というモデルもある(ACアダプタも付属)。こちらはモノクロタッチ液晶パネルとスタイラスを備え、本体だけで手書きメモの印刷が可能だ。レビュー記事『メモが苦手な人はぜひ。スマホからでも手書き文字でも手軽にメモ印刷 - カシオの電子文具「memopri」』もご一読いただきたい。

消耗品のテープ類(製品にはお試し用テープが1巻だけ付属)。カラーは白/黄/ピンク/水色/緑の5色だ。テープ幅は9mm/12mm/18mmの3種類で、テープ長は5m。価格は2巻セットで9mmと12mmが525円。18mmが735円。これ以外にもストライプ柄やドット柄など、デザイン性を付けたテープが用意されている

専用テープはほどほどの粘着力で、貼りやすく、はがしやすい。一般的な付箋紙と違って、裏面全体に粘着力があるので、全体を貼り付けておけば自然にはがれてしまうこともない。また、印刷したメモを貼りっぱなしにしても、貼った先にノリの跡が付かない点もよい。絶妙な粘着力なのだ

消耗品の専用テープは1巻だけ付属しているが、ある程度の予備を購入しておくべき。ランニングコストは、印刷するテキストやデータの量、つまりは1回の印刷に使うテープの長さで変わる。一例を挙げると、フォントサイズ23ptで「電話がありました」というテキストを9mm幅のテープに印刷すると、だいたい4cmのテープを使う。テープ1巻の長さが5mなので、約125回印刷できる計算になる。これで約2.1円。コストパフォーマンスは上々だろう。

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