――今回の作品は、豊かな自然に恵まれた田舎の村が舞台になっています

山崎「すごく良いところでしたね。老後はああいう自然があるところで暮らしたいです(笑)。あまり人が多いのは得意じゃないので、静かなところでいいんですよ。今回は約一週間くらいの撮影だったのですが、周りにコンビニもないし、バスも一日二本ぐらい。でもすごく気持ちの良いところでした」

――撮影中に印象的だったエピソードはありますか?

山崎「車の中で津田(寛治)さんと絡むシーンがあって、けっこう重要なシーンだったんですけど、津田さんが名前を何回も間違えるんですよ。キヨミのお母さんの名前を呼んじゃうんで、そのたびにスタッフの方から『キヨミね』って突っ込まれてました(笑)」

――車のシーンはかなり大変だったのではないですか?

山崎「津田さんのNGはあったものの、意外と撮影はすんなりと終わったんですよ。でも、最後にネックレスを投げるシーンがちょっと大変で……。なかなかうまく投げられず、逆に投げなくてもいいところで投げちゃって(笑)。カットがかかってからみんなで探したりして大変でした」

――今回は山崎さんが主演の作品ですが、主演として意識したところはありましたか?

山崎「あまり主演ということは意識しなかったです。意識してしまうと、違うプレッシャーがかかってしまうので。もちろん作品において重要なキャラクターなので、演技に対してプレッシャーがかかるのはいいんですけど、"主演だから"みたいなプレッシャーがかかるのはあまり良くないと思ったので、できるだけ考えないようにしていました」

――とはいえ、やはり主演のプレッシャーはあったのでは?

山崎「そういう意味では、実際に演じているときよりも映画が出来上がってからの不安のほうが大きかったです。出来上がってしまうともうやり直しがきかないじゃないですか。本当に自分が主演として演技ができたかどうか……あとは観ていただいた方に判断してもらうしかないんですけどね(笑)」

――内田監督からの指示で印象的だったことはありますか?

山崎「すごく過激なシーンの演出のときも、全然オブラートに包まない人だったんですよ。けっこう卑猥な言葉もそのままで。なので、すごくわかりやすかったです(笑)」

――今回食事のシーンが結構多いですよね

山崎「撮影中は本当に食べてばかりでしたね。撮影中もずっと食べているのに、ご飯休憩もあって……だから太りました(笑)」

――さて、『さまよう獣』で始まった2013年ですが、今後どういった作品に出てみたいですか?

山崎「やはり自分が面白いと思える作品に出たいですね。台本を読んで、この役をやってみたいと思える作品に出会えたらいいなと思っています」

――そのほか2013年にやってみたいことはありますか?

山崎「海外暮らし……とか? 『頑張ります!』とか言っておきながら、急にフラッとどこかに行ってしまうタイプなんですよ。明日になれば、もしかしたら本当に海外に行っちゃったりするので、何とも言えないんですけど、今日はとりあえず『仕事を頑張ります!』ということで(笑)」

――それでは最後に読者の方へのメッセージをお願いします

山崎「映画館に足を運んでいただけるのって、基本的に1回じゃないですか。もちろん何回も観ていただけるとうれしいのですが、やっぱり普通は1回ですよね。1回だとどうしても気づかないような細かい伏線もあったりすると思うので、映画館で観た方もあらためてDVDを観ていただきたいです。あまり説明がない作品なので、『あ、こういうことだったんだ』っていう新しい発見もたくさんあると思います。DVDで初めて観ていただける方は、家でゆっくりと落ち着きながら観ていただけるとうれしいです。よろしくお願いいたします」

――ありがとうございました


『さまよう獣』のDVDは2013年3月22日発売で、価格は3,990円。特典映像として、メイキングや監督インタビューなどが収録される。発売・販売元はアミューズソフト。