神奈川・パシフィコ横浜で開催されている「CP+ 2013」のペンタックスリコーイメージングブースでは、話題沸騰中の「ヱヴァンゲリヲン」と「PENTAX Q10」のコラボモデルや新製品のアウトドア向けカメラをはじめ、International CES 2013で海外モデルとして発表され好事家たちの耳目を集めた「MX-1」、初めて見るコンセプト製品の展示など、サプライズとサービス満点の展示を行っている。

PENTAX Q10のエヴァンゲリオンモデルのディスプレイは、なんとレイとアスカの等身大フィギュアが提げているという「暴走」っぷり。その頭上モニターには「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」の映像が流れている。

Q10エヴァンゲリオンモデルの展示は、このインパクト!

同社広報の川内拓氏は「やっちゃいました、すみません(笑)。でも、ペンタックスリコーは、こういうことも真面目にやっちゃうんですよ」というが、この展示インパクトは絶大で、周囲は黒山の人だかり。

実際、製品の予約状況も過熱状態らしく、レイ、初号機、アスカの各モデルとも今週末には既定の限定数1,500台に達する見込みという。外観だけでなく、起動時にネルフロゴが表示されるなどマニア心をくすぐる仕様も人気の秘密だろう。カメラとしての性能も高い評価を得ているため、キャラクターグッズとはいえ安心して買える。

そういえば、初号機カラーだけ、モデル名が「シンジ」じゃなくて「初号機」なのはなぜだろう?

Q10エヴァンゲリオンモデルは、パッケージももちろんネルフロゴ入りの特別仕様

各モデルとも限定1,500台。どうしても欲しい人は今すぐ予約を!

また、Q10関係では参考出品としてマウントキャップレンズとその撮影作例を展示。 「いわゆるトイカメラ、トイレンズといわれているものはいくつかありますが、どれも結構まともに写っちゃうんですよね。そこで、周辺の甘さや色のにじみなど、本当にトイカメのように写るレンズを作ってみました。見た目も、その名の通りマウントキャップみたいでしょう。Q10では、こんな遊びも提案したいと思っています」(川内氏)

参考出品されたマウントキャップレンズ。レンズの口径こそ異なるが、そのスタイルは「smc PENTAX-DA40mmF2.8 XS」を彷彿させる

ペンタックスブースといえば、カラーバリーション展示! 今回はQ10を使ってのディスプレイだ

自分好みのQ10カラーリングを自由自在に検討できるカラーシミュレーター

Q10を使ったユニークなディスプレイ。ピラミッド型のクリアケースに設置されたQ10の前にホログラム状のグラフィックアニメーションが展開される。しかも、面ごとにグラフィックが異なるのだ

もうひとつの見どころが「MX-1」の展示だ。CESで海外モデルとして発表されて以来、ペンタックスリコーが久々に比較的大きなセンサー(1/1.7型裏面照射式CMOS)を採用した渾身のモデルとして話題となった本作。銀塩一眼レフの名作「MX」をなぞらえたロゴに涙が出たとか、クラシカルなスタイリングといい可動モニターといい、これは傑作「Optio 750Z」の正統な後継機に違いないとか、どうせなら露出計モードも付けてくれとか……筆者を含むオヤジカメラファン層の妄想とシンクロ率を急上昇させる要素がてんこ盛りなのだ。だが、これは現在のところ、言語設定には日本語が無いが、この海外仕様のまま国内発売されることはないという。

ただし、基本的な製品コンセプトを理解してもらった上で、国内ユーザーニーズがあると判断できた場合は、国内モデルとして発売する可能性はあるとのこと。そのために、ブース内ではMX-1を手に取った方々から、スタッフが積極的に意見を吸い上げている。筆者など、取材を忘れて30分以上も話し込んでしまった(反省)。よりブラッシュアップされた国内版のMX-1の発売に向けて、ぜひ多くの意見と熱い思いをスタッフに伝えていただきたい。

上記、「MX-1」の国内発売の可能性に関する記載箇所で、誤解を招く表現があったため修正致しました。

センサーもボディもQ10より大きい「MX-1」だが、そのぶんチルト式モニターが大きくて見やすい。クラシックな雰囲気だけでなく飽きの来ないシンプルなデザインで、長く付き合えそうなカメラだ

余談だが、MX-1の軍艦部と底部には素材として真鍮が使われている。このため、長い間使い込むと、オールドカメラのように角が擦れて金属地が見えてくるという。なんと展示コーナーには、このエイジングされた状態を再現したバージョンのMX-1も展示されているのだ。こんなことをするメーカー、初めて見た!

「それが、若い女性からカッコイイという意見をいただきまして。これも"アリ"かもしれない、と思っているんですよ(笑)」(川内氏)

長年使い込んだ雰囲気を出したエイジング処理バージョン。あなたはどう思う?

防水仕様のアウトドアタフネスモデルでは、新製品「WG-3」と「WG-10」の触れる実機を展示。WG-3はワイヤレス充電もできる状態で展示されている。一眼レフ関係では参考出品として外部フラッシュの「AF360FGZII」、レンズは2月2日に発売される「HD PENTAX-DA 560mmF5.6ED AW」をカメラに装着した状態で展示。実際にファインダーを覗いて体験できる。

水深14mで水中撮影が可能なコンパクトデジタルカメラ「WG-3」

WG-3のGPS搭載モデル「WG-3 GPS」は非接触式充電「Qi(チー)」規格に対応。バッテリーベイの開け閉め回数が減ることでロックミスやシーリング部への異物混入可能性が低下、より安定した防水性能を確保できる

水深10mの防水性能と1.5mの耐衝撃性能を備えた防水スタンダードモデル「WG-10」

普段使いを意識したスリムタイプコンパクト「Optio LS465」。着せ替えもできる

「HD PENTAX-DA 560mmF5.6ED AW」は、新開発の高性能マルチコーティング「HDコーティング」と、天体望遠鏡タイプの光学系を採用した超望遠レンズ。同社一眼レフデジタルカメラに装着した場合、35mm判換算で約859mm相当となる

久しぶりの外部フラッシュ新製品となりそうなAF360FGZII。ガイドナンバーは36で、P-TTL制御による自動調光機能を装備。上下左右へのバウンスが可能。2013年夏頃発売予定

リコー関係のアイテムでは残念ながら新製品を目にすることができなかったものの、GRやGXRの製品展示はしっかりと行われおり、各製品ごとに質問や相談ができるカウンターも用意されている。また、開発中のコンセプトモデルながら頭上から地面までを全天球状に撮影できるカメラにはRICOHマークが刻まれており、ブースの壁面には「GR DIGITAL IV」で撮影された超大判プリントも展示されているなど、依然として強い存在感を放っていた。

「GXR」シリーズの製品展示。新製品の開発は正直難しいところだろうが、シリーズとしては継続していく姿勢のようだ

おそらく初のお披露目となる「360°カメラ(仮)」T字型の左右両端に超広角レンズが設置されており、天頂から地面まで360度の全天画像を撮影することができる

「今回は、来場されるお客様との対話を主眼にしたブース作りを行っています。当社製品のお客様は熱心な方が多いですし、そういった方々に強く支えていただいていると思っています。これはもともと、リコーとペンタックスに共通していた部分でもあるんですよね。物作りに対する姿勢も共通するところが多いですし、そういった意味でも、まとまりのあるブース展示を見ていただけると思います。ぜひ足をお運びください」(川内氏)

GR DIGITALの歴史を語る展示の最上部には、なぜか「2013」の札のみが…。2013? 今年??…???

ブースには、昨年開催されたフォトコンテストでの力作も数多く展示されている。「ユーザーのみなさんにも参加していただくブースにしたかったんです」(川内氏)

メインステージでは、プロの写真家を講師として迎え、撮影や製品紹介のセミナーを実施。このほか、RAW現像などのテクニカルなセミナーをおこなうサブステージも設置されている

見よこの迫力! やはり大判プリントは写真の醍醐味だ。なお、撮影機材は「GR DIGITAL IV」