パナソニックと東京ガス、第3世代のエネファームを投入 - 部品点数の削減などにより初めて200万円を切る

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パナソニックと東京ガス、第3世代のエネファームを投入 - 部品点数の削減などにより初めて200万円を切る

大河原克行  [2013/01/17]

エネファームの前で握手する東京ガス 燃料電池事業推進部・穴水孝部長(右)と、パナソニック アプライアンス社燃料電池プロジェクト・清水俊克プロジェクトリーダー

パナソニックと東京ガスは、家庭用燃料電池「エネファーム」の新製品を共同で開発。2013年4月1日から発売する。

エネファームは、世界で初めて一般販売を行った家庭用燃料電池で、2009年に第1号機、2011年に第2号機を投入。2012年12月末までに、累計2万1,000台を出荷。そのうち東京ガスが約1万5,000台の販売実績を持つ。

今回の新製品は3機種目となり、パナソニックは、東京ガスと共同開発した燃料電池ユニットを生産。東京ガスの子会社であるガスターから調達した貯湯ユニットおよびバックアップ熱源機と組み合わせて東京ガスに供給する。

新製品では、部品点数の削減、材料の見直しなどにより、希望小売価格は199万5,000円と、現行製品に比べて76万円の低価格化を図るとともに、発電時に発生する熱を回収する経路の断熱効果などにより、LHV基準による総合効率は、世界最高となる95.0%を達成しているのが特徴。

第3世代となるエネファーム。左側が燃料電池ユニット、右側が貯湯ユニット

エネファームのスケルトンモデル

東京ガス 燃料電池事業推進部・穴水孝部長

パナソニック アプライアンス社燃料電池プロジェクト・清水俊克プロジェクトリーダー

東京ガス 燃料電池事業推進部・穴水孝部長は「希望小売価格で、200万円を下回るのは初めて」という。

また、パナソニック アプライアンス社燃料電池プロジェクト・清水俊克プロジェクトリーダーは「総合効率では現行品の90%から大幅に改善している。電極触媒の白金使用量を50%削減。炭素繊維とPTFE量の配合最適化により、強度と導電率を両立。貴金属低担持触媒の開発により、PROX触媒の貴金属担持量を50%削減している」説明する。

さらに奥行き寸法を、900mmから750mmとすることで設置スペースを削減。バックアップ熱源機を貯湯ユニットから分離したことで、設置スペースに柔軟に対応できるようにしているという。燃料電池と貯湯ユニットは機器の下部で配管を接続。各ユニット間の配管は最長8mまで対応可能だ。

両社では、「設置スペースの制約が多い首都圏の戸建住宅などにも導入しやすくなる」(東京ガス・穴水部長)、「発電出力の下限を、現行品の250Wから200Wにすることで、電力需要の少ない家庭でも導入しやすくなる」(パナソニック・清水プロジェクトリーダー)と導入のしやすさを強調する。

燃料電池ユニット

貯湯ユニット

バックアップ熱源機の分離は、スペースや機能に合わせて最適なバックアップ熱源機を選択できることにもつながっている。

新製品では、暖房、追い炊き、給湯機能を標準装備した標準タイプのバックアップ熱源機のほか、暖房能力を引き下げた「コンパクトタイプ」、狭小スペース向けの「スリムタイプ」、追い炊き、給湯専用の「風呂給湯タイプ」を用意している。

また、主要デバイスであるセルスタックの電解質膜の耐久性向上などにより、現行品の20%増となる6万時間の運転を可能とした。

さらに、業界初となるカラーリモコンの採用とともに、ディスプレイサイズを3.5型から4.3型に大型化することで、文字やグラフを見やすくしている。

東京ガス・穴水部長は「エネファームと、太陽光発電の両方を導入しているダブル発電の住宅でも、太陽光発電も含めた家全体の発電情報や、エネファームの発電による太陽光発電の売電量増大効果も表示できる」と説明。また、パナソニックによれば「ディスプレイは約1.6倍に拡大。解像度は約3倍向上している。浴室リモコンもカラー表示とし、お風呂に入りながら、その日の売電実績を確認できる。エネファームと多くのHEMS機器との連携も視野に入れていく」(パナソニック・清水プロジェクトリーダー)という。

業界初となるカラーリモコン

ダブル発電にも対応した表示が可能になっている

導入に際しては、投資メリットがポイントとなるのは確かだ。

パナソニックと東京ガスは1999年から燃料電池の開発に取り組んできた

現行機の実勢価格は200万円前後であり、前年度の補助金である70万円、熱源機の45万円を引いた約85万円を、何年で回収できるかが鍵となる。パナソニックの試算によると、エネファームの導入により、年間約1.3トンのCO2排出量を削減でき、年間約6万円の光熱量を削減できるという。

「まだ10年以内で回収することは難しい。今回の価格設定は、まだ通過点であり、引き続き、価格低減には取り組んでいくことになる。まずはユーザー負担額100万円以下を目指していく。2016年度には補助金に頼らない自立した製品にしたいと考えている」と東京ガス・穴水部長は語る。

なお、新政権発足前のエネファーム設置の緊急支援予算措置により、2013年3月31日までの申請では、45万円の補助金が出るが、新製品の発売は4月1日となっている。

一方で、固体酸化物形燃料電池(SOFC)との競合については、「SOFCは、発電効率が高く、小型化も図れるという点で、将来性があるが、コスト面でのデメリットがあると考えている。柔軟性の高さや、電機自動車との連動も見込まれる点で、現行のエネファームで採用している固体高分子形燃料電池 (PEFC)の方が評価できる」(東京ガス・穴水部長)などと説明した。

世界最高の総合効率を実現している

設置性を高めたのも特徴である

パナソニックでは、2013年度の生産台数計画を、前年比1.5倍となる1万5,000台以上とし、東京ガスでは前年比1.7倍となる1万2,000台の販売を目指すとしている。

生産は滋賀県草津のパナソニックの生産拠点で行い、東京ガス以外にも、大阪ガス、西部ガス、静岡ガスなどに供給していく。

東京ガスでは、2020年に30万台のエネファームの普及を目指しており、東京ガス・穴水部長によれば「東日本大震災以降、自宅で発電したい、省エネに取り組みたい、光熱費を削減したいというニーズが高まっており、こうした声に応えることができるのがエネファーム。新製品の投入により、2020年の計画達成に向けて大きく前進できる。首都圏は7割が集合住宅であり、今回の製品をベースに、集合住宅向けの製品を開発していく考えであり、2013年度下期には集合住宅向けの製品を投入したい」とのことだ。

また、パナソニック・清水プロジェクトリーダーは、「地球環境問題は待ったなしの課題である。革新的技術であるエネファームの普及を通じて、快適な暮らしと持続可能な安心した暮らしを実現していく。海外展開は、潜在需要があると認識しているが、技術的に越えなくてはならない課題が多い」などと語った。

バックアップ熱源は選択できるようになっている

基幹デバイスとシステム構成の進化で低コスト化を図る

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