シャープは12月13日に発表した60V型液晶テレビ「ICC PURIOS(アイシーシー ピュリオス) LC-60HQ10」の製品発表会を実施した。本製品は、シャープ初となる民生用の4K(3,840×2,160ドット)表示対応液晶テレビで、圧倒的な解像感を持つパネルと、I3(アイキューブド)研究所が開発した光クリエーション技術「ICC」を搭載することで、質感や臨場感の再現力に優れた製品となっている。
シャープが従来から展開する液晶テレビ「AQUOS(アクオス)」に対して、よりプレミアムなモデルを求めるユーザー向けに、「ICC PURIOS」という新たなブランドを立ち上げ、展開していく。
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テレビの次元はよりピュアな映像の表現へ
発表会冒頭で登壇した、シャープのデジタル情報家電事業本部 液晶デジタルシステム第一事業部・戸祭正信事業部長はまず、ICC PURIOSの目指す方向として「よりピュアな映像を表現するテレビ」という意味を「ICC PURIOS」という名称に込めたことを説明。最高級の映像美を備えたプレミアムモデルとして、「AQUOS」シリーズと差別化を図っていくという。
具体的には、フルHD(1,920×1,080ドット)の4倍の解像度となる4K表示が可能な液晶技術による解像感の実現、I3研究所が開発したICCによる圧倒的な臨場感や質感の再現が特徴となっている。また、映画「スター・ウォーズ」の監督であるジョージ・ルーカス氏の取り組みから生まれたTHX認証において、世界初となる「THX 4Kディスプレイ規格」の認証を取得したという。
映像にこだわりを持つユーザーのニーズに応える
続いて、シャープ デジタル情報家電事業本部 新規商品開発センター 第一開発部の三谷康一部長が登壇、技術的な説明を行った。
三谷氏はまず、ICC PURIOSの要となるICC技術について説明。人の視覚は、光の反射で風景や物体などを認知する。実際の精細感を画面すみずみまでくまなく復元するリアルな映像でこそ、人間の視覚は遠近感や立体感をリアルに感じるという。
次に、もう一つの要であり、本製品を4Kテレビたらしめる高精細液晶パネルについて説明。フルHDの4倍となる解像度を実現しただけでなく、業務用マスターモニターを超えるレベルの高い輝度均一性を確保。画面の隅々まで明るさが保たれることで、高い臨場感が得られるようになったということだ。
また、自然で滑らかな階調表現を実現する「平滑化アルゴリズム」を搭載。これで液晶パネルを駆動させることで、4K液晶パネルの持つ高精細さを引き出すことに成功したとのことだ。
三谷氏は、世界初となる「THX 4Kディスプレイ規格」認証を取得した点にも言及。ジョージ・ルーカス氏の取り組みから生まれた規格であるTHXは、400を超える厳しいテスト項目が設けられており、ICC PURIOSはこれをクリア。映像制作者が意図する映像を忠実に再現するテレビであることを説明した。
なお、4K映像を入力する際の接続インタフェースとしては、HDMIケーブル4本による3,840×2,160ドット/60Hz入力のほか、HDMI1.4対応のケーブルであれば1本で3,840×2,160ドット/30Hz入力が行えることを説明した。
最後に、三谷氏は「ICC PURIOSは映像にこだわりを持つユーザーのニーズに応えられる製品だ」と、強い自信を覗かせた。