■前回までの記事■
眠りをデータで管理する!! ねむりの質の改善を睡眠計がサポート!!……ってなんだ? - 第1回 睡眠の質を寝ている間の動きでチェックする

オムロン「睡眠計 HSL-101」

今回から、オムロンの「睡眠計 HSL-101」を使ってみる。置く場所は枕の隣りだ。使い方は、寝る前に「おやすみ」ボタンを押すだけ。それだけで測定を開始する。

自分がいい眠りに就いているのか、悪い眠りに苦しんでいるのか、自分では分からないものだ。寝つきが悪く睡眠時間が短い場合は分かりやすい。しかし、睡眠時間は十分だが眠りが浅かったり、寝つきはいいが起床時間がバラバラで疲れが抜けなかったりする場合、原因がよく分からない。

この睡眠計は体に触れることなく、非接触で電波センサが寝ている間の体の動きをモニターし、ぐっすり眠れているかを測定する装置だ。就床・起床時間も記録、合わせて確認すれば、睡眠の傾向や質が見えてくる。

睡眠計を使って1週間、生まれて初めて自分の睡眠を客観的に見ることができた。その結果、分かったのはあまりにも自分の睡眠習慣がバラバラであることだった。


オムロン ヘルスケア 「睡眠計 HSL-101」
サイズ:約W130×D100×H270mm、本体重量:約420g(本体のみ)、電源:AC100V、10VA、50/60Hz、付属品:専用ACアダプタ、専用USBケーブル、スタートアップガイド、取扱説明書(品質保証書付き)、医療機器添付文書 ※本製品は1人用です。


ウェルネスリンクで測定データを"見える化"

睡眠計で記録した睡眠のデータをオムロンの健康管理サイト「ウェルネスリンク」へ送ると、眠りの質やパターンを分析。よりよい睡眠のためにどうすればいいのか、その指標を示してもらえる。

ウェルネスリンクのWebサイトにアクセス、ユーザー登録を行う。指示に従い、名前等を登録する

睡眠計のデータをウェルネスリンクへ送る通信ソフトをインストールする

まずは登録。パソコン(Felica対応の携帯電話からも可能)から「ウェルネスリンク」にアクセス。ユーザー登録をしたらUSB通信ソフトをダウンロードする。「ウェルネスリンク」では睡眠計以外に体重体組成計など対応している測定機器のデータも転送可能。まずは、睡眠計で機器の登録を行う。同梱のUSBケーブルでパソコンと睡眠計をつなぎ、データを転送する。データは毎日送る必要はなく、本体には14回分メモリが蓄積されるので、ある低度まとめて送ればいい。SDカードやアンドロイドスマートフォンからのデータ転送も可能だ。

ログインすると、転送されたデータが処理され、ユーザー個人のページでグラフ化や測定記録としてまとめられる。時間・日など見たい指標でグラフ化して表示される「マイグラフ」とデータが一覧表示される「最新の測定記録」の2つの表示項目がある。

通信ソフトをセットアップする。睡眠計とパソコンは付属のUSBケーブルで接続する

睡眠計を登録する。睡眠計以外に体重体組成計など、他のウェルネスリンク対応のオムロン製品も登録できる

パソコンと睡眠計を同期させる。これでデータが睡眠計からウェルネスリンクへ送られた

「マイグラフ」では就床・起床時間、睡眠時間、寝つき時間に加えて、ねむりを4段階で表示する「ぐっすりレベル」、夜中に起きた回数や時間、朝早く目覚めた時間などが一覧表示され、時間・日・週・月ごとにグラフを切り替え表示できる(なお表示項目はデータのうち、3項目のみを選択表示させる)。睡眠時間以外の要素、たとえば自分の睡眠時間が十分か、寝つくまでに時間がかかり過ぎていないか、睡眠は深いかどうかなどは数字だけではわかりにくい。これがグラフ化されることでよく分かるようになる。

「最新の測定記録」ではそうした分析はない状態で、就床時刻・起床時刻・睡眠時間を一覧で並べたものだが、日中に眠気を感じたかどうか、薬やサプリメントを飲んだかどうかを書き込めるようになっている。睡眠薬など私には縁がないが、ダイエット薬や毛生え薬などちょっとパワフルな薬は飲む。そうした薬が睡眠と関係あるのかどうか、考えたこともなかったが、意外と睡眠にも影響するかもしれない。念のため、記録をつけてみることにするか。

睡眠の情報が"見える化"されることで、自覚のない自分の睡眠状態を確認することができるが、どの部分に課題があるのか良く分からない。そこで「ねむりガイド」を利用する。これは事前に改善したい眠りの悩みを登録しておくと14日分の測定記録を元に眠りの傾向を5つの項目(寝つき時間、夜中の目覚め、朝早い目覚め、睡眠不足、睡眠リズム)で分析してレポートしてくるものだ。

さらに、ユーザーの課題に対してどのような対策をとれば良いのかを教えてくれるのが「ぐっすりチャレンジ」だ(プレミアム会員サービス、税込月額315円)。

眠りの課題の各項目に関連する生活習慣を選んで14日間の改善にチャレンジ。チャレンジ前後のデータで成果を確認できるので眠りの改善に役立つ。

【画像左】ログインすると「ぐっすりプログラム」が表示される。快眠のためのアドバイスをしてくれるプログラムだが、14日間の測定が必要だ 【画像上】睡眠計の記録をグラフ化して表示できる。表示項目を選択する


測定データを見て、自分のひどい睡眠に唖然

睡眠時間、寝つきまでにかかった時間、ぐっすり眠れていた時間をグラフで表示したもの。寝つきはいいが、ぐっすり眠れている時間は睡眠時間が長くても短くても変わっていない

ぐっすりプログラムを利用するにあたっては、睡眠の悩みをチェックして登録しておくことでより適切な分析を受けることができる

朝起きると、体が半分布団の外に出ていたりするのでちゃんと測定されているのか不安だったが、問題なかったようだ。ちゃんとウェルネスリンクにグラフが表示された。睡眠計のセンサーはかなり精度が高い。

1週間使っていろいろ分かってきた。まず自分が何時間睡眠なのか、把握していたつもりが全然実際とは違っていたことに驚いた。

私は寝るのがとても好きなので、最低でも6時間はいつも寝ているつもりだった。ところが、改めて数字を並べられると唖然である。ある日は11時に寝て2時に起き、3時半に寝て7時半に起き、寝不足になったのか、翌日は8時から6時まで9時間寝ている。

睡眠時間が3時間? 4時間? どうりで、昼間眠いのだ。自分でおかしいと思うほど、仕事を始めるとすぐに眠くなる。なぜ、夜十分寝ているのにそんなに眠いのか……年齢のせいか、はたまた体力がないのか?と思っていたが、何ということはない、ただの睡眠不足だったのだ。

お酒を飲むと睡眠が浅くなるというが、実際、データでもそうなっていた。「ぐっすりレベル」が短いのだ。酒はほどほどにしないと疲れるだけだなと思う。

自分の眠りの特性も見えてきた。寝つきはいいが眠りは浅い、私の睡眠はそういうものらしい。グラフで表示される睡眠時間とぐっすり睡眠時間の比を見ると、睡眠時間が長い日でも短い日でも、ぐっすり睡眠時間の長さ自体はあまり変わっていない。つまり睡眠時間が長いからといって、私がちゃんと眠っている時間は睡眠時間が短い日と変わらないのだ。

眠りの周期もグラフで表示される

睡眠時間と就寝・起床時間を一覧表示したもの。睡眠時間がめちゃくちゃなことが分かった

眠りの中身が分かるとは面白い。やるな、睡眠計。睡眠計自体は「やるな」であるが、私の眠りの質はあまり良くないらしいので何とかしなくてはいけない。

最終的な分析は14日間分の測定を待ってからでないと出せないが、1週間でも反省するには十分である。せめて起きる時間は一定にしようと思った。次回はいよいよ「ねむりガイド」で自分の睡眠と正面から向き合うことになるのだ。

第3回に続く
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