ドワンゴはniconicoの「ニコニコチャンネル」内で、新サービス「ブロマガ」を8月21日よりスタートし、同日に六本木・ニコファーレにて発表会を開催した。

プレゼンターはドワンゴ取締役・夏野剛氏

「ニコニコチャンネル」は、企業や団体が動画や生放送を配信を行うことを目的に2008年からスタートしたプロモーション・プラットフォーム。「ブロマガ」は、このニコニコチャンネルから記事の配信を可能にする新サービスだ。記事コンテンツごとに無料、または有料を選択することができ、有料の場合は月額課金か都度課金かをさらに選ぶことができる。記事コンテンツはブログ形式で配信できるほか、メルマガやePUB形式でのダウンロードにも対応する。課金額は書き手が設定し、そこからシステム利用料14%を引いた残額を書き手70%、ドワンゴ30%で分配する。

ニコニコチャンネルの数は2,000にも上る

「ブロマガ」は有料メルマガサービスとしては後発だが、登録会員数2,808万人を誇る集客力と、メルマガ・ブログ・ePUBという3つの形式に対応した柔軟性、さらに動画や生放送といったリッチコンテンツを利用できる付加価値を武器に追い上げを狙う。

開設者はバラエティに富んだ顔ぶれ

メディアも多数参加する

気になる執筆者の顔ぶれは、ジャーナリスト・津田大介氏や佐々木俊尚氏、収監中のホリエモンこと堀江貴文氏、政治家・小沢一郎氏、アニメ監督・押井守氏、GACKT、デヴィ夫人、コスプレイヤーのうしじまいい肉氏、『もしドラ』作者・岩崎夏海氏など全76チャンネル。このほかにもネットで何かと話題に上る面々がそろっており、統一感はゼロだがインパクトは抜群である。将来的にはニコニコ動画の著名ユーザーを始めとする一般ユーザーも配信者として参加できるようになるという。

同日に開催された記者発表会には、ドワンゴ会長の川上氏、同社取締役・夏野氏に加え、津田大介氏、佐々木俊尚氏、岩崎夏海氏も登壇。「コンテンツとプラットフォームの未来」をテーマにトークセッションを行った。

トークセッションには参加していないが、特別ゲストとして田中康夫氏も登場した

非常に興味深い内容だったので、ここに全文を書き起こすことにする。

トークセッション「コンテンツとプラットフォームの未来」

左から夏野氏、津田氏、佐々木氏、岩崎氏、川上氏

津田:「ブロマガというネーミングがまずありなのかという話もありますが(笑)、なぜ動画サービスであるniconicoがあえて文字コンテンツが重要だと考えているのか。まずは立ち上げた狙いについて川上会長に語っていただきたいのですが」

川上:「ネットにおいてゲーム以外のコンテンツで有料課金が成功しているのが、ネットが始まって以来まったく進化していない、メルマガというメディア。ここを起点に新サービスを作れるんじゃないかという試みです」

津田:「有料メルマガがいけるんじゃないって(考えたのは)いつぐらいから?」

川上:「津田さんから何度も(有料メルマガいいですよっていう)話を聞いているうちに(笑)」

昨年からメルマガを始めて"小成功した"という津田大介氏

津田:「堀江さんが(有料)メルマガをやったことでパラダイムが変わったなと。一昨年から去年にかけて一気に市場ができました」

川上:「今まで有料コンテンツっていうと、ネットで埋もれてしまう問題がありました。ところがツイッターとの連携によって、それを失わない形で有料コンテンツを出せるフォーマットが作れたんです」

津田:「岩崎さんはブロマガを始めるに至って、はてなに見切りをつけたのですか?」

岩崎:「そうです。僕がはてなに後ろ足で砂をかけてお別れする記念日ということで」

津田:「岩崎さんは、はてなに対して罵倒しながらも愛があるという印象でしたが、臨界点を超えたのですか?」

岩崎:「かなり前から超えていましたね。はてながはてなブログをやると発表したときに、某K氏からメールがあって、『はてなブログで書きませんか』と。超売れっ子のベストセラー作家にですよ、ただで書けと。じゃあ書いてもいいけど、今までの因縁があるからお話しましょうと返したんですよ。そしたらなんの話をするんですかと(返事がきた)。それで頭にきて、これをこの場で言おうと思って今まで黙ってました。今朝、はてなをプライベートモードに凍結してきました。僕は近藤さんとダンコガイ(※ブロガー小飼弾氏)には一生disっていい権利を獲得してるんで、それを生かしつつニコニコでやっていきたいですね」……続きを読む