イベント開始前にはいつものように夏野氏やドワンゴ川上会長、ひろゆき氏が登壇し新バージョンの説明などを行った

4月28日、「超パーティーFirst Night」の幕開けとなったのは、歌手・広瀬香美の歌声だった。楽曲は1997年に発売された「Promise」。なぜ15年も前の曲が今? と思うかもしれないが、実はこの曲、2008年から2009年頃にかけてニコニコ動画内で大流行したのだ。本来のタイトルである「Promise」ではなく、サビ前のフレーズ「Get down」をもじって「ゲッダン」と呼ばれる珍現象を生み出したのも記憶に新しい。広瀬香美の力強い歌声と会場全体による「ゲッダン」の大合唱は、超パーティーのスタートを飾るのにふさわしい選曲だったと言える。

広瀬香美による「Promise」でのスタートは、非常に計算された演出だったと感じた

歌い手と踊り手のコラボレーションによるステージは、今や完全に定着したニコ動ライブのスタイルの一つ

続いては、ニコ動の人気歌い手たちが登場し、2007年6月頃に投稿され「歌ってみた」の隆盛のきっかけともなった「組曲『ニコニコ動画』」の最新アレンジ「ニコニコ超組曲」を熱唱した。そのコンセプトは「ニコニコ動画で流行した曲をつないだメドレー」であり、いわばニコニコユーザーの「共有知」だ。ニコ動の5年間を振り返るという意味でこれほど適した楽曲も他にないだろう。

広瀬香美のプロフェッショナルな歌唱と、ニコ動ユーザーの琴線に触れるメドレー。会場とネット視聴者のテンションはこれで完全に振り切れたようだった。

追い打ちをかけるように、「歌ってみた」や「踊ってみた」の人気ユーザーがヒットボカロ曲を次々と披露。趣向を凝らしたパフォーマンスに、会場のボルテージはさらに上昇していく。

熱い曲のオンパレードに客席は大盛り上がり。大会議などの過去のライブイベント経験が活かされた構成だった

もちろん、登場するのはミュージシャンだけではない。冒頭にも書いたように、ニコニコ超パーティーには他の様々な分野からもユーザーが登場し、パフォーマンスを披露したのだ。

庄松屋氏が制作した本格的なガンランス。ハンターである筆者も思わず胸が熱くなった

たとえばエンタテインメントからは手妻師として知られる藤山晃太郎氏が登場し、自身のブレイク作となった「ダブルラリアット回ってみた」をステージで再現。また「ニコニコ技術部」からもガンランスやガンダムを再現したハイクオリティな作品が登場し、観客を驚かせていた。「踊ってみた」の始祖とも言われるニコ麻呂氏が「ハリボテエレジー」として出演したのも、古参ユーザーには嬉しい演出だっただろう。

さらに、初音ミクブームを支えた偉大なツールである「MMD」のユーザーや、東方Project、ボーカロイドと共に御三家としてニコ動を盛り上げた「アイドルマスター」の声優陣が出演したことも見逃せない。「とにかく5年間でニコ動を盛り上げたコンテンツは全部盛り込んでやる」という運営サイドの意気込みを感じるイベントであった。

後半は再びミュージシャンたちによる歌と踊りのステージへ。ラストにはJAM Projectが登場し、ニコ動ユーザーとの共演も実現した。こうした「著名人+ニコ動ユーザー」という特別なステージが見られるようになったのも、ニコ動が5年間で着実にその存在感を増してきたからだろう。……続きを読む。

人気の踊り手と共演したアイドルグループの℃-ute

こんなシュールな光景もニコ動ならでは