xyzzyの簡単な使いこなし術

前述のとおりxyzzyはGNU Emacs風の味付けを施したテキストエディターですので、キーバインドも2ストロークの操作方法を採用しています。例えばxyzzyを終了する場合は「C-x C-c([Ctrl]+[x]キーを押し、続いて[Ctrl]+[c]キーを押す)」を使用し、ファイルの保存は「C-x C-s」、ファイルを開く際は「C-x C-f」。Windows OSの操作に慣れた方には複雑怪奇なキーバインドに見えますが、"エクストラ(eXtra)コマンドを呼び出してセーブ(Save)する"と考えれば直感的であることが理解できるでしょう(図27~28)。

図27 [Ctrl]+[x]キーを押し、続いて[Ctrl]+[f]キーを押しますと、ミニバッファにファイル名の入力をうながされます。そのまま名前を入力しましょう

図28 ファイル名を入力せずに[Enter]キーを押しますと、ファイラーが起動します。ここからファイルを直接選択し、xyzzyで編集することも可能です

それでもGNU Emacs風のキーバインドに慣れることができない、という場合はsiteinit.lもしくは.xyzzyファイルに、Windows OSに準拠したキーバインドを読み込むための設定「(load-library "gates")」の一文を追加してください。後は「C-x C-s」で変更内容を保存し、「C-x C-c」でxyzzyを終了。再びxyzzyを起動すれば、キーバインドがWindows OS風に変更されます。なお<ヘルプ>→<キー割り当て一覧>と選択することで、使用可能なキーバインドの一覧が表示されますので、操作に迷ったときは参照してください(図29~31)。

図29 siteinit.lもしくは.xyzzyファイルに「(load-library "gates")」と記述し、同ファイルを保存してからxyzzyを終了させます

図30 こちらは設定前の<編集>メニュー。例えば<貼り付け>は[Shift]+[Insert]キーが割り当てられています

図31 こちらは設定後の<編集>メニュー。Windows OSではお馴染みのキーバインドに変更されています

さて、コマンドライン派にとってxyzzyの優位性を感じられるのが、シェルの呼び出し機能でしょう。単純にCmd.exeを起動するのではなく、コマンドプロンプトの出力結果をバッファとして表示することで、参照や加工が容易に行えます。また、xyzzy上のプロンプトにコマンドを入力しますと、その結果もそのままバッファに表示されますので、アイディア次第でさまざまな応用が可能です(図32~33)。

図32 [Alt]+[x]キーを押し、「shell」と入力して[Enter]キーを押して「M-x shell」を実行します。これでコマンドプロンプトがxyzzy上に現れました

図33 プロンプトに「dir」と入力して[Enter]キーを押しますと、同コマンドの内容がxyzzyのバッファ上に表示されます