Intel 6シリーズチップセットでは、レガシーBIOS(ここでは従来のBIOSをレガシーBIOSと表記する)のまま3TB HDDブートなどに対応させていたGIGABYTE。しかしIntel X79 Expressマザーボードからは待望のUEFIが採用された。UEFIは、64bit OSの最新機能などに対応することに加え、テキストベースのレガシーBIOSに対しグラフィカルなUIで、BIOSセッティングが可能となる。そしてもちろん、GIGABYTEでは、UEFIへの対応に際し、ユニークなUIを採用してきた。それが「3D BIOS」だ。

3D BIOSを搭載する「GA-X79-UD5」

CPUならCPU、ストレージならストレージをクリックして設定できる3Dモード

3D BIOSがどういうものか、ここではIntel X79 ExpressマザーボードのGA-X79-UD5(rev. 1.0)を用いて紹介していこう。

UEFIとなっても、GIGABYTEのマザーボードの場合、電源投入直後の最初の画面でDeleteボタンを押してUEFI画面に入る。レガシーBIOSと同じ操作なので迷うことは無い。最初に表示される画面は、まさにGA-X79-UD5マザーボードが斜めから撮影された写真だ。そして注目して欲しいのがマウスカーソル。キーボードのみだったレガシーBIOSに対し、UEFIではマウスによる操作も可能となっている。

メインメニュー画面を説明しておくと、中央は先の説明のとおり使用中のマザーボードの写真(今回はGA-X79-UD5なのでその写真)、左上にはGIGABYTEロゴ、右上には3D BIOSのロゴ、そして左下にぐるり回転するアイコンがあるが、ここを押すとマザーボード写真の角度が変わる。ほか、下段にはM.I.T.やSYSTEM、BIOS FEATURES……といったアイコンが並んでいる。

3D BIOSのメイン画面。これを3Dモードと呼ぶ。中央には使用中のマザーボードの写真が表示され、左下にある回転アイコンをクリックすることでマザーボードの写真の向きが変わる

3D BIOSのマザーボード写真は、何も使用中のマザーボードを確認するだけのものではない。まずマウスカーソルをマザーボード上の各部分に合わせると、その部分の説明がポップアップする。そしてそのままマウスクリックすると、その箇所の設定画面が表示される。テキストベースのレガシーBIOSでは、どのメニュー内に目的の項目があるのか、ある程度熟知していなければならなかったが、3D BIOSならマザーボード上の「場所」を手がかりに簡単に見つけることができるわけだ。

カーソルをマザーボードにホバーすると、その部分の説明のポップアップが表示される。このようにポップアップする部分はGA-X79-UD5の場合でボード上に6カ所ある

ポップアップが表示される箇所でさらにクリックすると設定ウィンドウが開く。数値入力はスライダー式で、マウスだけでも設定できる

ちなみに、3Dモードでの設定項目は、CPUとメモリ、電源回路、チップセット、バックパネル、ストレージ、拡張スロットという6カ所。3Dモード画面でしばらく無操作のままでいると、これらの項目が順番にハイライトするので、どこをマウスオーバーすれば良いのか、把握できる。

3Dモードでの設定項目は、基本的な機能に絞り込んであり、また、数値の設定もスライダーを用いたマウス操作主体で行えるようデザインされている。CPUとメモリ、電源回路の2項目では、設定画面に入ると、右側にクロックやBCLK、温度、電圧やファンの回転数などCPUやメモリに関する情報が表示されている。設定画面のウィンドウは、マウスでドラッグできるので、把握しやすい場所に移すと良いだろう。

設定ウィンドウはドラッグ可能。一部の項目では、右端にステータスが表示され、動作モードや温度、電圧が確認できる

また、これはおまけ機能と思われるが、3Dモードのメイン画面で、GIGABYTEロゴをクリックすると時刻が表示され、3D BIOSロゴをクリックするとCPUとBCLK、メモリクロックが表示できる。

GIGABYTEロゴや3D BIOSロゴをクリックすると、そこに各種情報が表示される

3Dモードは、初心者にも分かりやすいデザインだ。もちろん最低限のPCの知識は必要になると思われるが、トラブルがあった場合でも、「CPUをクリックして」とか「拡張スロットをクリックして」といった形でアドバスができる。また、ステータス表示機能が付いているため、万が一、CPU温度やクロックにおかしな状態が生じたとしても把握しやすい。こうした点は、自作PC上級者でも活用できるだろう。