8日に発売されるソニーのBDレコーダー「BDZ-AT970T」。チューナーを3基搭載する点や、外付けHDDへの対応が大きな特徴。特に外付けHDDの増設は、より長時間の録画が可能になるうえ、コンテンツのムーブにも対応しているなど、かなり使い勝手がよいのだ。

国内市場に現行規格のブルーレイディスク(BD)レコーダーが登場したのは2006年。既に5年が経過している。8日に発売されるソニーのBDレコーダーは、初期にデジタルレコーダーを導入した人の買い換えニーズを視野に入れたモデルだ。初期のBDレコーダーは、HDDの容量が多い機種でも320GB程度で、搭載しているチューナーも1基というのが中心だったため、録画したい番組を録り逃したという経験がある人も多いだろう。

その後、HDDの大容量化や長時間録画モード、W(2番組)同時録画機能の搭載などが大きな流れとなっていたが、今年の秋冬モデルでは各放送波につき3基ずつのチューナー搭載、外付けHDDのサポートが大きなトピックとなっている。その他、「スカパー!HD」用チューナーを搭載する機種も有るが、これに関しては多チャンネルを指向する層でも、ケーブルテレビを選択するユーザーや「自分は『スカパー!e2』でOK」というユーザーもいるので、万人に向けたモデルではないといえる。

この流れを踏まえて、ソニーのブルーレイレコーダーの2011年秋冬モデルを見てみると、今回紹介する「BDZ-AT970T」が、まさに今年の秋冬の注目機能を余さず搭載したモデルとなっている。今回は、主に外付けHDDの使い勝手という面に絞ってレビューを行ってみたい。

デジタルチューナーを3基搭載し、USB接続の外付けHDDへの録画も行える「BDZ-AT970T」

写真は、同じ時間帯に放送されている3つの番組に録画予約を入れたところだ。地上波をメインに視聴している人であれば、日常的に3基のチューナーをフルに使うというケースは少ないだろう。それでも、チューナーが2基では足りないというケースもたまには発生する。2010年10月に発売されたBDZ-AX2000/AX1000/AT900/700/500以降の同社のレコーダーでは、2基のチューナーのどちらでも長時間モードで録画できたりオートチャプターが利用できたりするなど、機能面での差がなくなった。録画の際に「録画1」「録画2」といったように、使用するチューナーの区別を意識しないでも問題がないわけだ。この点は、3チューナー仕様になっても継続されている。「一発予約」の機能も従来と同様だ。番組表上で録画予約したい番組に移動し、リモコンの「録画」ボタンを押すだけで予約が完了する(「決定」ボタンを押した場合は、従来の録画予約画面に移動する)。この写真での録画予約も、単純に録画ボタンを押しただけだ。チューナーの割り振りなどについては、一切考慮する必要はない。

3基のチューナーの機能は同一。チューナーの区別なしに使うことができる